2023/11/05
三橋
2023/10/22
テラフォーミング・マーズ攻略2 ゲームプラン編その1 「コントロール」
前回の記事はこちら テラフォーミング・マーズ攻略記事第2回。 ようやっと今回から強いカード紹介! だけどその前に少し戦略の話を。 今回は、テラフォーミング・マーズにおいて強力かつわかりやすいゲームプランを紹介していく。 そのゲームプランを、僕らは 「コントロール」 と読んでいる。 どういう戦略なのか、順番に見ていこう。 なお、この攻略記事シリーズは3人戦の想定で話していく。 このゲーム、毎回長さ違うよねー、という話 8ラウンドで終わったり、あるいは13ラウンドで終わったりするのがテラフォーミング・マーズというゲーム。 当然、8ラウンドのゲームと13ラウンドのゲームでは強いカードや上手い立ち回りも変わってくる。これがこのゲームの面白いところ。 そしてもっと面白いのは、 そのゲームの長さを決めるのが僕たちプレイヤーの選択 だということ。 みんなで全力で火星を開拓すればすぐ終わるし、逆にみんなカードばかりプレイしていたらいつまで経ってもゲームは終わらない。 もっと言えば、 ゲームを長くした方が都合がいいなら火星を放置し、そうでないなら火星を全力で開拓する。 僕らは、この前者を 「コントロール」 、後者を 「アグロ」 と呼んでいる。 この「コントロール」と「アグロ」の概念は、最古のTCG「マジック:ザ・ギャザリング」から拝借したもの。ここでは、次のような戦略のことを指す。 コントロール:ゲームを引き延ばし、大量の収入でゲームを支配(コントロール)する アグロ:ゲームを早急に終わらせることで、コントロールされる前に勝つ 早期決着すればアグロが勝って、長引くとコントロールが勝つ。 そういう単純な構図。 それぞれの戦略の方向性がわかったところで、まずはコントロールからみていこう。 強力な戦略「コントロール」 コントロールはゲームを長引かせることで勝ちを目指す。 10~12ラウンドでの終了が目安。 これ以上早く終わってしまうと勝てない場合が多い。 どのようにゲームを引き延ばすか? 答えは簡単。 火星を開拓しない。 ただそれだけ。 どういう時コントロールに行く? コントロールプランを目指すのはいつか。 結論から言うと、いつでも目指す。 というのも、 アグロに行くハードルが非常に高いので、何もなければ基本コントロールになる。 どういう手札がコントロール向きか、という話をすると、 収入が伸びそうならそれはコントロール向き。 他にも コスト軽減カード があったりすると、よりコントロールのモチベーションが高まる。 プレイ方針 1. 序盤はとにかく拡大 拡大幅の大きいカードから優先してプレイ。ここでロクに拡大できないならコントロール向いてないのでやめるべき。 2. VP付きカードを積極的に確保&プレイ 点数源を確保しないと、いくら収入があっても勝てない。ドラフトでは気持ち多めにキープ。最終ラウンドに吐き出す。 3. ゲーム最終盤まで火星開拓にはノータッチ 開拓したらそれはコントロールじゃない。火星開拓をしてしまうカードもプレイしない。 これがコントロールプランの3大原則となる。 なぜか知らないが、このゲームは火星を開拓しないでカードだけプレイしていれば勝てるようにできている。ゲームタイトルは詐欺である。 ドラフトの指針 ドラフトで考えることは6つ。多い。多いけど、コントロールプレイで最も重要なのはカードの扱いなので、仕方がない。 指針1:まずはなにより、収入源と得点源 コントロールプレイの基本。 序盤は収入源を、中盤以降は点数源を優先 して確保したい。 ただし、鉄収入を上げ過ぎると、たまに余るので注意。 点数源について、最も優先するのは《ガニメデ・コロニー》のような木星ギルド。コントロールはカードをたくさん出すので、雑に点数を得ることができる。 一方で、《魚類》のような点数クロック系カードは、見た目ほど強くはないので、そこまで気にしなくてもOK。 指針2:コスト軽減カードを優先 収入カード同様、 コスト軽減カード も拡大カードとしてピックしたい。それらのカードには大体VPが書いてあるので、多くのカードをプレイすることで実質的にタダ以上で、そのVPを手に入れることができる。 例えば《前哨研究基地》は、購入含めて21金でプレイし、その後21枚のカードをプレイすれば元が取れて、それ以降にカードをプレイする度1金増えることになる。なんなら都市も貰えてる。ゲーム展開にもよるが、少なくとも40枚程度のカードをプレイするので、そこらの収入獲得カードより高いコスパを発揮するだろう。 他にも《宇宙ステーション》のようなチタン軽減カードも噛み合っている。高コストの得点源カードの多くはチタンを支払いに充てられるので、十分元は取れるだろう。 指針3:集めると強いタグを気持ち優先 多くのカードをプレイする都合上、 タグを参照するカードを強く使える機会に巡り合いやすい。 《AIセントラル》、《反動力技術》、《高度な生態系》など、条件は重い代わりに破格の性能を有するカードは、使うと周囲がざわつく。 集める価値のあるタグは以下の通り。上の方が優先。 指針4:ドローソースの確保 最低でも一枚、 継続的ドローソース を確保したい。ドローソース無しだとハンドリソースが足りない。《立ち入り制限区》などがこれに該当。 《オリンポス会議》は変則的だが、割と引けるので優先して購入したい。 指針5:火星開拓カードは取って購入せず捨てる ドラフトの際、次のプレイヤーがアグロなら場合、 ゲームの終了を大幅に早めるカードは自分で取ってそのまま捨て札にする。 《巨大氷水惑星》のようなカードをアグロに使われてしまうと、ゲーム終了が1ラウンド早まる可能性があるからだ。 木星ギルドや《AIセントラル》と同じパックにあったりしたら、仕方が無いので、どっちかを諦める。どちらを諦めるかは状況次第。 同様の理由でカット対象となるのが序盤の《設計された微細生命体》などの 植物産出カード だ。緑化がアグロ側の大きな点数源となるので、カットできるならカットしたいところ。ただし、ゲーム終了トリガーは大体気温なので、植物産出カードのカットは優先度低め。特に欲しいカードが無い時にカットするくらい。 指針6:動物タグが乗るカードを最低1枚確保 キーとなるのは《大輸送船団》。このカード、テキトーに打っても1TR、2VP、2ドロー、5植物と、そこそこの性能はある。 ここに《家畜》のように、動物タグ1個につき1VPになるカードが加わるとどうなるか。 36金で1TR、6VP、2ドローとかいうバカカードになる。やりすぎ。 他にも、動物を脱法配置できるカードが数枚ある。いつか彼らに巡り合う可能性を考慮して、《家畜》のように、 動物タグを1VPに変換できるカード を1枚は手札に持っておきたい。 そのほか注目すべきカード 単体でスペックが高かったり、変な挙動をするカードたち。見かけたら注意。 《温室》 ゲーム終盤、1枚で8~13程度の植物を沸かしてくれる。6コストと軽く、ほぼ確実に2点以上沸かす破格のカード。 《ビジネス・ネットワーク》 ドローソースではあるが、序盤にプレイすると金が足りなくなる。ある程度金収入を確保できてからプレイ。 《富窒素小惑星》 リーフタグ3条件下でプレイすることで大きなリターンを得られる。リーフ収入4に加え、3TRと、そのパワーは全体で見ても随一。条件を満たすまで手札で抱えておくと良い。 《税関ステーション》《人工衛星》 この2枚は単純にコスパが異常。コントロールならマストピックと言っても過言ではない。 特に基本マップでは注意が必要。バンカー(お金収入のアワード)が突然ひっくり返るので、バンカーに置く際は圧倒的リードが無いと安心はできない。 手札が無くなるラウンドにゲームが終わるのがベスト 収入が増えれば1ラウンドあたりにプレイできるカードの枚数は増えるので、必然、手札は減っていくもの。手札が無いと折角のリソースをVPに変換できずに、より多くの手札を持つプレイヤーに負けてしまう。当然、 手札が多いプレイヤーの方が、手札から出せるVPは多い。 なので、 することが減ってくる前に終了トリガーを踏めるように動く。 このタイミングになって初めて火星を積極的に開拓する。大丈夫、その時点でアグロに負けることはまずない。あり得ないと言ってもいい。 「これ勝ってるな」と思ったらゲームを畳む 9ラウンド目くらいに明らかに他より多くのVPを持っていれば、それ以上ゲームを続ける意味もないので、火星の開拓に着手する。アグロがその段階から逆転することはない。 ちなみにこれは、逆転の目を潰す以外にも時間の節約という目的もある。 周りも「もう勝てるビジョン見えないし、さっさと終わらせてくれ…」と思ってるかもしれない。 勝利を確信したらすみやかにゲームを終わらせてあげよう。 マイルストーンは必須ではない 8金5VPと破格なマイルストーン。 普段は必須だけど、コントロールに限っては必須ではない。 というのも、 11ラウンド以上のゲームだと、5VPはたいして大きな点数ではない からだ。 どういうことか。 重要なのは点数感覚。8ラウンドで終わるゲームなら55VPで勝つくらいの点数感なので、5VPはめちゃくちゃでかい。 一方で、13ラウンドで終わるゲームなら100VPを超えるくらいなので、マイルストーンの5VPは、8ラウンドのゲームより重要度は低い。 ただもちろん、確保できるなら確保したい。 どのくらいプレイを歪めるか次第。 逃げの戦略「ハンドコントロール」 さて、ここまでこのゲームの王道戦略ともいえるコントロールについて説明してきた。 なんだけど実はコントロールにはもう1種類あって、それが 「ハンドコントロール」 だ。 標準的コントロールより、手札を大切にすることからこのように呼んでいる。 ただ、こっちのハンドコントロールはあまりおすすめとは言えない。標準的コントロールに比べると柔軟性に欠け、シビアな勝ち筋を要求されるから。 ハンドコントロールは 「思うように収入を伸ばせなかった時の逃げ道」 くらいの認識でいるといい。 プレイ方針 1. 他のコントロールに収入で負けたらハンドコントロールへ ゲーム序盤に、他のコントロールに比べて収入が伸びなかった時に、ハンドコントロールへ移行。真っ向勝負では勝てないので。 2. 収入よりVP持ちカードを優先ピック 収入カードよりVP付きカードをひたすら優先。 3. 絶対に火星を開拓しない 収入を軽視するので、万年金欠。ラウンドを増やして金を工面。 足りない収入を、より多いラウンドをプレイすることで補う のがハンドコントロールのコンセプト。 この方針を取ることで、コントロールに有利に立てる要素はこんな感じ。 ゲームを長引かせ収入回数を増やすことで、点数出力のボトルネックを金から手札枚数にシフトさせる。 つまり「金はあるけどカードがない!」状況に陥らせることで標準コントロールを蹴散らす。 特に重要なのは3で、 なにがなんでも火星は開拓しない。 戦略上収入は軽視せざるをえないので、こういう極端なプレイングが求められる。 逆に、このプレイの弱点は 「標準コントロールがちゃんとゲームを終わらせに来るとお金が足りずに負ける」 こと。 他2人が拮抗していて、火星を開拓した方が負けそうな状況で、その穴を突いて勝つ。それがハンドコントロールの勝ち筋。 結構難しい。結構難しいが、このプレイを知っているかどうかで、勝率は結構変わるので押さえておきたい。 まとめ&次回予告(アグロは次回) 長くなったので、次回、アグロ戦略編。 それではまた次回。
テラフォーミング・マーズ攻略記事第3回。
前回はゲームを引き延ばす戦略「コントロール」を紹介した。
今回扱うのは真逆の戦略。ゲームを如何に早く終わらせるかに特化した「アグロ」戦略だ。
アグロはゲームをなるたけ早く終わらせることを目指す。8、遅くても9ラウンドに終わらせれば、とどうにか勝てるかな~、という印象。
アグロの基本方針はこんな感じ。
拡大再生産ゲームなので序盤は当然拡大。
ただ、気持ち早めにVPを伴わない拡大からは撤退する。具体的には、7、8ラウンド目までに元取れないカードは優先度低め。
一番点数効率の良い植物産出を伸ばして戦う。
そんな暇あったら気温を上げる。1ラウンドの遅れが致命的なので。
火星を1人で全て開拓するくらいの姿勢で臨む。
火星開拓は、カードプレイに比べると収入の伸びが悪いので、万年金欠。なので、特に③は徹底して守るべし。
やっぱこのゲーム、タイトル詐欺だよ。
特に理由が無ければコントロールを選択したいゲームなので、積極的にはアグロを選ばない。
一応、アグロに行きそうな条件を挙げておくと、こんな感じ。
《エコライン》《採掘ギルド》《国連火星動議》のようなアグロ向き企業がある
初手で植物産出を3まで上げられる目途が立っている
ちなみに、《エコライン》以外はそこまで強くないので、企業選択での優先度は高くはない。初期手札次第。
コントロールと違って、アグロのドラフト判断は簡潔。楽でいいね。
《AIセントラル》や《地球カタパルト》など、コントロールならめちゃくちゃ魅力的なカード。こいつらの誘惑に負けない強い心が必要。
こういうカードは、カードをたくさんプレイする戦略でしか輝かない。アグロは、火星の開拓にお金を使うので、必然、カードのプレイ枚数は減る。こんな強いカードでも、噛み合っていないなら宝の持ち腐れ。
仮にドラフトで手札に来ても、ピックしないか、カットして捨てる。
また、将来使ったら強そうなカードも、「そこそこ強そう」くらいなら、あまりキープしない方がいい。ゲーム前半の3金は非常に重い。その3金のせいで、終了ラウンドが1ラウンド遅れたら目も当てられない。
緑化はアグロのメインの得点源なので重視。植物収入はあればあるだけ嬉しい。
《苔類》みたいな条件付きカードはコスパが優れていることが多い。条件が軽いなら、その条件をなるはやで満たせるように動くと尚よい。
《彗星曳航》とか《溶岩流》とか。標準プロジェクトで海を置いたり気温を上げることもざらにあるアグロにとっては、こういうカードは非常に有難い。最優先でピックして問題ない。
アグロは森をたくさん置くので、都市も置きたい。
都市を標準プロジェクトで建てるのは弱いので、《企業の拠点》など都市建設カードを1枚は確保したい。
それに合わせて、都市建設カードのコストとして要求される電力産出も、カードで確保したい。《盗電》などは手ごろ。
都市は、最低1個は確保したい。そうしないと、緑化を上手く点数化できない。2個目は無理しない範囲で。
発熱産出カードはどれも弱いのでスルーでOK。
《ソレッタ》を見て欲しい。なんだこれ?
35金は高すぎる。7発熱は強そうだけど、金収入への変換速度はイマイチだし、植物産出と違って点数効率も悪いし。
正直打ったら負けるレベルのカード。見かけてもスルーしよう。
最後のごり押しで非常に強力なのは《標準テクノロジー》。気温が上がり切っていないことはよくあるので、それを標準プロジェクトで上げきる際に大活躍する。他にも都市配置や海配置でも活躍するので、見かけたら確保したい。
見た目以上に強め。科学タグがあり効果も悪くないので、コントロールでも活躍する余地あり。
アグロは金が足りない。
足りないので、海隣接2金のあるなしは相当デカい。
緑化をする前に海を配置しておいて、隣接ボーナスをもらっていくのが理想。
《巨大氷小惑星》などのカードで配置した方が当然強いけど、そういうカードが無いなら標準プロジェクトで配置するのも視野。よくやるのは、海配置時に2リーフ貰って8リーフ森配置で隣接ボーナス2金、という動き。
カードをそんなにプレイしないので、ドラフトで欲しいカードが少ない。少ないので、相手の欲しがるカードを積極的にカットしていく。
カットするカードはコントロールが欲しがりそうなドローソース、得点源など。コントロールの視点に立って考えると自然とどれをカットすればいいかわかるはずだ。
ここまで読んでくれた人の中には、こういう疑問を持っている人が居るだろう。
「やけに極端なプレイばかりじゃない?いい感じに開拓していい感じに点数付きのカードを出せばよくない?」
と。
実際、多分製作サイドはそういうプレイを想定してるんだと思う。それは、《巨大氷小惑星》のようなカードが強力に作られているところに現れている。
そして、コントロールの脆弱性を突いたプレイというのが、ハンドコントロールとアグロだった、ということ。
中途半端なプレイはこういう事情であまり強くない。
ゲーム開始当初はコントロールをする予定だったけど、自分より収入が圧倒的に多いコントロールが居たとしよう。
この場合、そのままコントロールを続けても不利になる。コントロールの序盤の収入上げはかなり重要だからだ。
アグロシフトは、コントロールに見切りをつけ、ゲームを早く終わらせるアグロプレイにシフトするプレイングを指す。強いコントロールを抑え込む戦略だ。
条件はアグロ、もしくは既にアグロシフトが居ること。コントロールが十全に力を発揮する前にゲームを畳むことを目指す。
自分の分のTRを確保する為に、他のアグロの植物産出や植物を減らす。
コントロールで勝てそうにないな、と思ったら早期に切り替え。
でもこの判断が難しい。精神的にも。
中途半端な戦略ではあるのだが、たまに勝てる。知っていて損は無い。
アグロシフトとハンドコントロール。
これはどちらも、コントロールを選んで、より強いコントロールに出会った際の逃げ道だ。
その判断は、他プレイヤーが、どんなゲームプランを取っているか次第だ。
他プレイヤーが皆コントロール:ハンドコントロール
他プレイヤーにアグロが居る:アグロシフト
他プレイヤーがコントロールならゲームの終了は遅いので、ハンドコントロールが望ましいし、他プレイヤーにアグロが居るなら、ゲームを畳む為にアグロシフトする。
もちろん手札などの状況次第。あまりにもハンドコントロールに向いていないならハンドコントロール以外をやることになる。
そのまま純正コントロールをやる方が勝率が高いかもしれない。
例えば、アグロ向きのカードが1枚も無いのにアグロシフトは出来ない。他の例だと、他にアグロ寄りが居ないなら、アグロシフトの旨味もイマイチ。そういう時は、コントロールを貫き通すのが最善。
コントロール:収入を伸ばしカードを中心に戦う
アグロ:拡大はそこそこに、火星の開拓に多くのリソースを費やす
コントロールが基本優勢
他の戦略も取れるが、安定して勝てる戦略ではない
次回、各企業解説へ。