テラフォーミング・マーズ攻略3 ゲームプラン編その2 「アグロ」

2023/11/05

三橋

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前回の記事はこちら
テラフォーミング・マーズ攻略2 ゲームプラン編その1 「コントロール」

テラフォーミング・マーズ攻略記事第3回。

前回はゲームを引き延ばす戦略「コントロール」を紹介した。

今回扱うのは真逆の戦略。ゲームを如何に早く終わらせるかに特化した「アグロ」戦略だ。

コントロールへの対抗手段 「アグロ」

アグロはゲームをなるたけ早く終わらせることを目指す。8、遅くても9ラウンドに終わらせれば、とどうにか勝てるかな~、という印象。

アグロ3大原則

アグロの基本方針はこんな感じ。

1. 序盤は拡大。少し早めに切り上げ。

拡大再生産ゲームなので序盤は当然拡大。

ただ、気持ち早めにVPを伴わない拡大からは撤退する。具体的には、7、8ラウンド目までに元取れないカードは優先度低め。

2. 植物産出を伸ばして盤面点を確保

一番点数効率の良い植物産出を伸ばして戦う。

3. ゲーム終了条件に関係しないカードは最小限にして、ひたすらゲーム終了を目指す

そんな暇あったら気温を上げる。1ラウンドの遅れが致命的なので。

火星を1人で全て開拓するくらいの姿勢で臨む。

基本はこの3原則に従う。

火星開拓は、カードプレイに比べると収入の伸びが悪いので、万年金欠。なので、特に③は徹底して守るべし。

こんだけ切り詰めても、8ラウンドでゲームを終わらせるのは大変。なので、勝率は安定しない。

やっぱこのゲーム、タイトル詐欺だよ。

どういう時アグロに行く?

特に理由が無ければコントロールを選択したいゲームなので、積極的にはアグロを選ばない。

一応、アグロに行きそうな条件を挙げておくと、こんな感じ。

  • 《エコライン》《採掘ギルド》《国連火星動議》のようなアグロ向き企業がある

  • 初手で植物産出を3まで上げられる目途が立っている

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ちなみに、《エコライン》以外はそこまで強くないので、企業選択での優先度は高くはない。初期手札次第。

ドラフト判断

コントロールと違って、アグロのドラフト判断は簡潔。楽でいいね。

余計なカードは買わない

《AIセントラル》や《地球カタパルト》など、コントロールならめちゃくちゃ魅力的なカード。こいつらの誘惑に負けない強い心が必要。

こういうカードは、カードをたくさんプレイする戦略でしか輝かない。アグロは、火星の開拓にお金を使うので、必然、カードのプレイ枚数は減る。こんな強いカードでも、噛み合っていないなら宝の持ち腐れ。

仮にドラフトで手札に来ても、ピックしないか、カットして捨てる。

また、将来使ったら強そうなカードも、「そこそこ強そう」くらいなら、あまりキープしない方がいい。ゲーム前半の3金は非常に重い。その3金のせいで、終了ラウンドが1ラウンド遅れたら目も当てられない。

カードの購入には慎重に!
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アグロで科学タグが3個並ぶことはまず無いし、コストが高すぎるもの無理
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ゲーム終了までに10枚と少ししかプレイしないこともあるので、強さを発揮できない

植物収入カードは優先してピック

緑化はアグロのメインの得点源なので重視。植物収入はあればあるだけ嬉しい。

《苔類》みたいな条件付きカードはコスパが優れていることが多い。条件が軽いなら、その条件をなるはやで満たせるように動くと尚よい。

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4コスト1植物産出は結構強い

単発火星開拓カードを優先

《彗星曳航》とか《溶岩流》とか。標準プロジェクトで海を置いたり気温を上げることもざらにあるアグロにとっては、こういうカードは非常に有難い。最優先でピックして問題ない。

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強いカードではあるのだけれど、何故か、平均的なカードだなあ、という印象を受けてしまう
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都市建設カードとエネルギー産出カードはそれぞれ1枚ずつ確保

アグロは森をたくさん置くので、都市も置きたい。

都市を標準プロジェクトで建てるのは弱いので、《企業の拠点》など都市建設カードを1枚は確保したい。

それに合わせて、都市建設カードのコストとして要求される電力産出も、カードで確保したい。《盗電》などは手ごろ。

都市は、最低1個は確保したい。そうしないと、緑化を上手く点数化できない。2個目は無理しない範囲で。

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-2VPが気になるかもだけど、なにより安いのが偉い
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これも安いのが偉い

発熱産出カードはスルー

発熱産出カードはどれも弱いのでスルーでOK。

《ソレッタ》を見て欲しい。なんだこれ?

35金は高すぎる。7発熱は強そうだけど、金収入への変換速度はイマイチだし、植物産出と違って点数効率も悪いし。

正直打ったら負けるレベルのカード。見かけてもスルーしよう。

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もしかしたら一番弱いかもしれない。ごめんよソレッタ君。

標準テクノロジーは要チェック

最後のごり押しで非常に強力なのは《標準テクノロジー》。気温が上がり切っていないことはよくあるので、それを標準プロジェクトで上げきる際に大活躍する。他にも都市配置や海配置でも活躍するので、見かけたら確保したい。

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見た目以上に強め。科学タグがあり効果も悪くないので、コントロールでも活躍する余地あり。

海隣接による2金は超重要

アグロは金が足りない。

足りないので、海隣接2金のあるなしは相当デカい。

緑化をする前に海を配置しておいて、隣接ボーナスをもらっていくのが理想。

《巨大氷小惑星》などのカードで配置した方が当然強いけど、そういうカードが無いなら標準プロジェクトで配置するのも視野。よくやるのは、海配置時に2リーフ貰って8リーフ森配置で隣接ボーナス2金、という動き。

海隣接ボーナスは積極的に確保!
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アグロ視点最高級品。36金で標準プロジェクト換算64金分の行動ができるので、1ラウンド縮められるポテンシャルがある。

ドラフトでのカットが超重要

カードをそんなにプレイしないので、ドラフトで欲しいカードが少ない。少ないので、相手の欲しがるカードを積極的にカットしていく。

カットするカードはコントロールが欲しがりそうなドローソース、得点源など。コントロールの視点に立って考えると自然とどれをカットすればいいかわかるはずだ。

アグロシフト(中途半端戦略)

ここまで読んでくれた人の中には、こういう疑問を持っている人が居るだろう。

やけに極端なプレイばかりじゃない?いい感じに開拓していい感じに点数付きのカードを出せばよくない?

と。

実際、多分製作サイドはそういうプレイを想定してるんだと思う。それは、《巨大氷小惑星》のようなカードが強力に作られているところに現れている。

でも実際は、《巨大氷小惑星》のようなカードを無視するコントロールが最も強力で、かつ再現性が高かった。

そして、コントロールの脆弱性を突いたプレイというのが、ハンドコントロールとアグロだった、ということ。

中途半端なプレイはこういう事情であまり強くない。

では、どっちつかずのプレイに一切勝ち目が無いのかと言うと、そういうわけではない。そのプレイを僕は「アグロシフト」と呼んでいる。

アグロシフト3大原則

ゲーム開始当初はコントロールをする予定だったけど、自分より収入が圧倒的に多いコントロールが居たとしよう。

この場合、そのままコントロールを続けても不利になる。コントロールの序盤の収入上げはかなり重要だからだ。

そういう時に取れる戦略として挙げられるのがアグロシフト。

アグロシフトは、コントロールに見切りをつけ、ゲームを早く終わらせるアグロプレイにシフトするプレイングを指す。強いコントロールを抑え込む戦略だ。

アグロシフト:コントロールを続けても勝てなさそうな時に、ゲームを引き延ばすのをやめ、ゲームを早く終わらせるように動くこと。
アグロシフトのプレイ方針はこんな感じ。
1. 他のアグロと協力してゲームを終わらせる

条件はアグロ、もしくは既にアグロシフトが居ること。コントロールが十全に力を発揮する前にゲームを畳むことを目指す。

2. 他のアグロ、アグロシフトの足を引っ張る

自分の分のTRを確保する為に、他のアグロの植物産出や植物を減らす。

3. 移行の判断はできるだけ早く

コントロールで勝てそうにないな、と思ったら早期に切り替え。

でもこの判断が難しい。精神的にも。

他のアグロが居たら、それに協力する、くらいの認識。

中途半端な戦略ではあるのだが、たまに勝てる。知っていて損は無い。

アグロシフトとハンドコントロール、どっちに逃げるか、逃げないか

アグロシフトとハンドコントロール。

これはどちらも、コントロールを選んで、より強いコントロールに出会った際の逃げ道だ。

じゃあ、どっちに逃げるのがいいか。

その判断は、他プレイヤーが、どんなゲームプランを取っているか次第だ。

  • 他プレイヤーが皆コントロール:ハンドコントロール

  • 他プレイヤーにアグロが居る:アグロシフト

基本的にはこう。

他プレイヤーがコントロールならゲームの終了は遅いので、ハンドコントロールが望ましいし、他プレイヤーにアグロが居るなら、ゲームを畳む為にアグロシフトする。

もちろん手札などの状況次第。あまりにもハンドコントロールに向いていないならハンドコントロール以外をやることになる。

ここで大事なことは、必ずしも逃げが正しい選択ではないということ。

そのまま純正コントロールをやる方が勝率が高いかもしれない。

例えば、アグロ向きのカードが1枚も無いのにアグロシフトは出来ない。他の例だと、他にアグロ寄りが居ないなら、アグロシフトの旨味もイマイチ。そういう時は、コントロールを貫き通すのが最善。

まとめ

  • コントロール:収入を伸ばしカードを中心に戦う

  • アグロ:拡大はそこそこに、火星の開拓に多くのリソースを費やす

  • コントロールが基本優勢

  • 他の戦略も取れるが、安定して勝てる戦略ではない

次回、各企業解説へ。