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新着記事

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2024-12-03

東方帝国プレイ記2024

2024年某月某日、都内某所。1プレイに10時間以上を要するとされる 東方帝国/Eastern Empire をプレイするために7人の男たちが集まった。ここではその記録を振り返りたい。 東方帝国の概要はこちら。 全選手入場!   本記事の執筆者であり東方帝国の持ち主。   声がデカいことでおなじみ。   HQGamesきっての穏健派。   我らがHQGamesの代表。   理論派。ねちっこいプレイを好む。   1日16時間ゲームをしている。   多人数ゲームでも容赦なく他プレイヤーをカットすることで恐れられている。 文明の曙 2時間程度のゆったりとしたインストを終え、いよいよゲームがスタートした。 まずは各文明とも人口を増やし、領土を拡大するところからである。最初は人口が各文明1人ずつしか存在しないため、行動の選択肢がそれほど多くなく、ターンはすぐに回っていく。 順当にゲームが進んでいくかと思われた3ターン目、 パルティア が バビロン に早くも仕掛けようとする事態に。どうも南に領土を拡大するために、 バビロン に撤退することを要求しているようだ。他プレイヤーと争うことを厭わない パルティア:木村 らしいプレイである。これに対し、 バビロン:永山 はルーズルーズになるだけであると必死で説得し、不可侵領域を設けることで何とか争いを回避。 こんなに早くもめるとは思っていなかったので、周りのプレイヤーたちは笑っている。 4ターン目も引き続き パルティア と バビロン が交渉。何とか争いが回避される中、クシャーンが史上初の都市を建設し、交易カードを入手。まだ他プレイヤーが交易カードを持っていないため、交易は行われずにターンが終了した。 交易フェイズの前に、各プレイヤーは自身の都市の数だけ交易カードを数字の小さい山札から1枚ずつ引く。その後、各プレイヤーは3枚以上の交易カードのセットを、1枚のみ正体を隠して他プレイヤーと自由に交換していく。 5ターン目、ゲーム開始から倍々ゲームで増えてきた人口は、ついに各文明最大32人に達し、マップ上に収まり切らない事態に。余った人口を調整するために、 パルティア と シバ の間で史上初の戦闘が発生。また、各文明とも増えた人口で都市を建設し、文明ごとの領土が明確となってきた。 繁栄と衰退 6,7ターン目も都市の建設ラッシュは続き、ついに交易カードを3枚以上手にした文明が現れたことで、7ターン目には史上初の交易が行われた。このターンでは文明進歩カードの購入金額までには届かなかったものの、各文明は後のターンに備え手札を整えた。 なお、6ターン目の終わりにはついにASTに差が生じ、 バビロン と ヌビア が一歩遅れる形となった。 ターン終了時、一定の条件(都市が2つある等)を満たしていると、自文明のASTマーカーが1マス右へ進む。誰か1人でも右端(鉄器時代後期)に到達すれば、ゲームが終了する。 8ターン目、交易カードを配り終えると2の山札がない。これはつまり、誰かが交易可能の災害である <謀反> (および交易不可の <火山噴火/地震> )を手札に持っているということである。全員の中に緊張が走る。先ほどまでとは打って変わり、たどたどしく交易が行われ、ついに災害カードが公開された。 それぞれの交易カードの山の中には、数字カードの他に災害カードが混ざっている。交易フェイズの最後まで災害を持っていたプレイヤーは甚大な被害を受ける、いわゆる"ババ"だ。 まず <火山噴火/地震> を引いたのは パルティア !運の悪いことに火山に接する文明であったため、都市2つと人口4つが跡形もなく消えてしまった。あまりにも容赦のない災害に肩を落とす パルティア:木村 。 次いで <謀反> を引いていたのは ヌビア 。 <謀反> は 受益者(当該災害をそのプレイヤーに手渡したプレイヤー) に都市を1つ併合させるという効果だが、 <謀反> を ヌビア:齋田 に渡したのは シバ:小林 であったため、 ヌビア は隣接する シバ の侵入を許すことに。災害を通じてゲームが動いていく。 文明進歩獲得フェイズに移ると、なんと バビロン:永山 が <漆> を6枚公開!皆が災害を怖がる中、積極的に交易を行いカードを集めていたのだ。これにより バビロン は180金をたたき出し、コストの高い <地図製作> を一足先に購入した。 また、 パルティア:木村 はカードを全てはたいて <原理主義> を購入。 <原理主義> は隣接するエリア1つの都市及び人口をすべて破壊するという恐ろしい効果であり、好戦的な パルティア:木村 らしいチョイスである。 その他の文明も各々に文明進歩を購入していき、一旦ここで昼休憩を挟むこととなった。 昼休憩を終えると、9ターン目からは人口が増えたこともあり、移動フェイズを順番に行うことに。 ヌビア は人口をつぎ込み、 <謀反> で シバ に奪われた都市を奪還。 バビロン は前のターンの勢いのまま、8都市の建設に成功した。 2以外の山札も残り少なくなる中、災害カードを公開するとなんと7枚!全体で都市が3つ破壊&9つ衰退し、さらに60点弱のダメージを叩き出したことで、各文明は一時休戦の様相となった。 なお、ここで インダス:中西 も <原理主義> を購入。 <原理主義> による攻撃は、同じく <原理主義> を持つプレイヤーには効かないため、 <原理主義> を先に購入した パルティア:木村 に対抗できる。災害に加え <原理主義> の恐怖も現れ、怯える他プレイヤー達であった。 10ターン目は各文明が復興に勤しむ中、そこに災害が再び襲い掛かる。 パルティア:木村 は運の悪いことに再び <火山噴火/地震> を引いてしまい、再建した都市が吹き飛ばされてしまう。その他の災害も続き、全体で都市が3つ破壊&7つ衰退&1つ併合し、加えて10点弱のダメージとなった。 ※なお、この時は交易カードのシャッフルの仕方に誤りがあり、災害がめくれやすくなっていたことにご留意いただきたい。 この時点でASTは、条件の緩い シバ と パルティア のみが青銅器時代中期に進み、その他の文明は3都市&3文明進歩という条件を満たすことができず、青銅器時代初期に留まることとなった。 災害を超えて 11ターン目、交易を開始すると ヌビア:齋田 が驚くべきことを言った。 このターンに引いた交易カード5枚の内、2枚が交易不可の災害だったので、交易可の災害カードを引き受ける代わりに良いカードが欲しいというのである。 「同一プレイヤーが災害カードを3枚以上所持している場合、その内2つをランダムに選んで発動し、それ以外の災害カードは発動せず捨てる」 というルールがあり、それを活用した形だ。 これにより ヌビア:齋田 は <漆> を6枚集め、 <塩> 3枚と合わせて220金の <民主主義> を購入するビッグプレーを見せた。 AST進行条件のひとつに「200金以上の文明進歩カードを3枚以上所持」があるため、買えるときに買っておくことが重要である。加えて200金以上のカードは格段に効果が強いので、その意味でも早めに購入したい。 一方、 ヌビア:齋田 の手になかった唯一の災害である <内乱> が ペルシア を襲う。 <内乱> は「自身の人口及び都市を35点分(人口は1つ1点、都市は1つ5点)残し、残りを受益者に併合する」という恐ろしい効果であるが、この時隣接する バビロン:永山 が受益者となっていたため、1都市および13人口が ペルシア から バビロン の手に。 ペルシア:神谷 としてはあまりにも手痛い一撃となった。 この辺りから各プレイヤーの行動に変化が生じる。 あまりにも災害が頻発するため、各プレイヤーはもはや災害を恐れず交易に臨むようになったのだ。このゲームでは交易によるメリットが非常に大きく、また災害もそのターンの文明進歩の購入には基本的に影響を及ぼさないため、合理的な判断と言えよう。もちろん、文明進歩の購入により、災害を緩和することが可能になったのもそれを後押ししている。 12ターン目以降も被災と復興が繰り返され、13ターン目にはついに、このゲームで最強の文明進歩である <世界的偉業> を ペルシア:神谷 が購入した。 ゲーム終盤になっても災害は容赦なく襲い掛かる。 14ターン目には9の山札の底に眠っていた <退行> が現れ、ついにすべての災害が姿を現すことになった。 クシャーン:寺岡 は <退行> を運悪く引いてしまい、ASTを1マス戻すという致命的な被害を受けてしまう。 15ターン目終了時のASTは以下の通り。 シバ 、 ペルシア 、 インダス 、 パルティア が一歩リードするが、まだ誰も鉄器時代初期に進むための条件を満たしていない。勝利は誰の手に。 8000年の頂点 朝の9時から開始したゲームはもう23時になり、皆の表情にも疲労が浮かび始める。 しかしながら、ゲームが佳境であるため休むことは許されない。災害により領土が入り混じる状態となったことで、疲れた中でも難しい判断を迫られる。 そんな中、16ターン目には インダス と パルティア が200金以上の文明進歩を累計で2つ獲得し、また都市を4つ維持したことで、ついにゴール一歩手前までASTを進めた。これでもう1つ200金以上の文明進歩を獲得し、都市を5つ維持すればゲーム終了である。 ゲーム終了条件であるAST最終マスへの進行条件は「200金以上のカード3枚と都市5つ」。最終マスに到達すればより多くの勝利点が得られ、ゲームを決定づける。 しかしながら、ここで ペルシア:神谷 がタイムリミットを迎え離脱することに。また、 ヌビア:齋田 も体力の限界を迎え離脱。重ゲーならではの避けられない事態である。 残った男達はゲームを続ける。17ターン目、 インダス と パルティア は他プレイヤーが安易に交易に応じてくれなくなったこともあり、200金以上の文明進歩を獲得することができない。一方、 シバ と クシャーン も条件を満たし、ゴール一歩手前までASTを進めた。 18ターン目、各プレイヤーは自力で交易カードを集め、200金以上の文明進歩を獲得し、ついにゴールである鉄器時代後期に到達した。これでゲーム終了である。 インスト開始からすると18時間、深夜27時のことであった。 得点計算の結果、インダス:中西が僅差で優勝となった。 16時間もプレイしたにもかかわらず、最後まで接戦になったのは特筆すべきことだろう。これにてHQGamesの東方帝国は幕を閉じた。 僅差のため勝敗の要因について語るのは難しいが、やはり攻められにくい奥地にしっかりと自身の拠点を設け、その上で不要な争いは避け、他方で攻めるべきところは攻めるという基本を忠実に守ったプレイヤーが勝利を収めることができたのではないだろうか。6人も他のプレイヤーがいると頭一つ抜け出してそのままトップを走り続けるのは不可能(ましてウォーゲームならなおさら)なので、上手く他プレイヤーと協調することが望ましいと考えられる。 おまけ おしまい
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2024-11-04

『ELDER GARDEN拡張:眷属との契約』ゲーム紹介

※ 「ELDER GARDEN」の拡張版 (拡張単体でのプレイ不可)の紹介ページとなります。 ELDER GARDENの通常版については以下URLでご紹介していますので、未プレイの方はぜひこちらからご覧ください。 やぁ、また会ったね── ELDER GARDENの世界に魅入られてくれたようで何よりだ。 邪神『エルダー』 の力に触れて心酔した君に、邪神の 眷属 も興味を持っているようだ。彼らの手助けを受けてみるといい。 なに、悪い話じゃないさ。悪い奴らじゃないとは言えないけどね。 邪神『エルダー』の復活を目指す旅路の中、君は邪神の眷属に出会った。彼らは君が真に邪神の信奉者たり得るかを試そうというのだ。 大地に眠る古き魂を呼び起こし、同胞を切り捨て、彼らの欲望は満たされる。それらの試練を乗り越えて初めて、眷属はあなたを認め(もしくは嘲笑い)、その力の片鱗を貸し与えてくれるだろう。 さあ、進め!捧げろ!何も恐れることはない!!全ては我らが神の為に!! 拡張「眷属との契約」内容紹介 新要素1「眷属」 眷属カード は、この拡張セットのメインとなる要素です。 眷属は 霊脈 に潜んでいます。 霊脈に拠点を構えることで眷属と契約でき、 それは段階的に、そして劇的に報酬をもたらします。 しかし強大な眷属を真に味方に付けて万全に力を引き出すには、膨大な アニマ を眷属に捧げることを以て、あなたの力を眷属に示す必要があります。 新要素2「アニマ」 アニマ とは、かつて人間の魂であったものが禁断の秘術により実体化したものです。アニマはオレンジ色の不気味な輝きを発し、周囲の空気を歪ませます。 アニマを得るためにあなたは新たに秘術に手を染める必要があります。 聖典 を用いた儀式を行うのです。 新要素3「聖典」 古代の秘術が記された邪教の聖典です。禁断の知識と恐怖に満ちたそのページには、大地に眠る者の魂を呼び起こし、アニマとして実体化する儀式の手法が記されています。 しかし儀式は当然容易ではありません。聖典は膨大な 血 (そして膨大な血を捧げるためのあなたの苦悩)を要求します。眷属を知る前よりもなお一層血を渇望することとなるでしょう。 しかしその膨大な血を捧げる苦悩の中、聖典に引きずられるのではなく己に従わせんとし自らの精神力と引き換えにその解読を進めることができれば、古代の秘術の深淵に触れ聖典からより強大な力を引き出せるようになることでしょう。 新要素4「試練」 貴方は邪神の眷属の存在を知ってしまいました。 彼らも貴方の存在を察知しています。契約する以前、ゲームの始まる時点から貴方を試してくるでしょう。 ゲーム開始時に試練が与えられます。 応えることができれば試練に応じた 報酬 を得ることができるでしょう。 あるいは課された重責を諦めますか。しかし眷属は容易に放棄することを許さず、達成できない試練の前でもがき苦しむことを強要します。塗炭の苦しみの果て、試練に屈したときに手にこびりついていたその血は……。 ユニークな追加カードたち 邪神の復活を目指す 同胞 や、 聖域遺物カード も拡張で追加しています。 ユニークな効果は、ELDER GARDENに慣れたプレイヤーにさらに悩ましく面白いゲーム展開を生み出してくれるでしょう。 その中から フェリックス をご紹介しましょう。 夢を旅するフェリックスにとって現実の認識が曖昧であり、自分の遺物にも執着がありません。旅する中で遺物を落とし、それは世界によって祝福されます。 遺物が1枚以下だったら何もできず詰んでしまう?__正解です。思うがままに彷徨い全ての遺物を失ってしまったら最後、全ての選択肢を失い二度と醒めることのない悪夢となるでしょう。 しかし聖域に辿り着いたとき、実質的に第二の旅が始まります。 フェリックスの 同胞遺物カード を紹介しましょう。 聖域に辿り着くと強大な能力を得る代わりに命を失う。当然の代償です。 しかし現実の認識が曖昧なフェリックスでは聖域に辿り着いた後、死して尚旅をします。 本来は膨大な準備をして手に入れる必要がある聖域遺物カードの中をフェリックスは旅し、様々な聖域遺物を模倣して味わうことができるのです! そのほか、 聖域遺物カード や イベントカード についても新たに追加しております。 最後に ここまでお読みいただきありがとうございました。 『ELDER GARDEN拡張:眷属との契約』は 11月16日(土) のゲームマーケット2024秋、 S-04「Head Quarter Games」 ブースにて販売開始予定です! 順次、 事前予約 や 詳細なルール公開 も行っていきますのでX(Twitter)をチェックいただければと思います! ELDER GARDEN 拡張『眷属との契約』商品概要 コンポーネント
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2024-10-23

「西方帝国/東方帝国」真の重ゲーがここに

8000年の頂点に立つのは誰だ 「西方帝国/東方帝国」は、最後の氷河期が終わった紀元前8000年頃から、鉄器時代の終わり(0年)までの 8000年間にわたる、古代文明の発展をテーマにしたゲームです。 プレイヤーは文明の指導者となって領土を拡大し、交易で得た利益で文明を発展させていきます。 「西方帝国」と「東方帝国」は同じルールであり、「西方帝国」はヨーロッパ~西アジアを、「東方帝国」は中央アジア~インドを舞台としています。 元々存在した「大いなる文明の曙(Mega Civilization)」というゲームを2つに分けたのが「西方帝国/東方帝国」であり、片方だけでも9人まで、つなげると18人までプレイすることができます。 「西方帝国/東方帝国」は、主に 「①人口増加~移動~紛争~都市の建設」 と、 「②交易~災害発生~技術(文明進歩)の購入」 の2つのフェイズを通じて、ターンが進行します。 ①では、人口を増やして領土を拡大し、他の文明と紛争して生き残った人口で都市を建設します。 ゲーム開始時に人口は1人しかいないのですが、毎ターン倍々に増えていくので、あっという間に盤面は埋まっていきます。 領土が足りなくなったら他の文明と紛争です。紛争の解決手段はとてもシンプルで、1対1で討ち合い、多い方が勝つというものになります。 そうして、生き残った人口で都市を建設します。都市を建設すると交易のための商品を多く、またより価値の高いものを入手できるようになります。 ②では都市の数に応じて交易カードを入手し、他の文明とそれらを交換して価値を高め、様々な利益をもたらす技術を獲得します。 交易カードは、その多くは商品なのですが、中には後述する「災害」という不利益をもたらすカードも混じっています。 交易は以下のルールに従って行います。 この3つ目のルールが重要であり、 すなわち少なくとも1枚は正体を明かさずに、交易カードを相手に渡すことができます。 恐ろしい災害は相手に渡してしまいましょう(ただし、もっとひどい災害を相手からもらうかもしれません)。 交易の後、災害を解決し終えたら、入手した商品を用いて技術を購入します。 技術は移動・紛争を有利にするもの、災害を防ぐもの、交易を有利にするもの等、様々なものがあります。どの組み合わせが強いか考えながら獲得していくのも、このゲームの楽しいポイントです。 文明の発展度合いを踏まえ、どの年代相当なのかを示す時代継承テーブル(AST)を進めてターンは終了します。 いずれかの文明が鉄器時代後期に突入した時点でゲームは終了し、ASTの進捗、所有する都市数・技術で勝者を決定します。 デカァァァァァいッ説明不要!! このゲームの特徴として、まずその 圧倒的なコンポーネント量 が挙げられます。 「西方帝国」と「東方帝国」の両方を合わせると、 と、プレイ場所を探すにも一苦労なサイズです。 プレイ時間も長く、 過去に12人でプレイした際にはルール説明含め18時間を要しました。 まさに重ゲー(物理的にも時間的にも)という訳です。 そんな「西方帝国/東方帝国」ですが、すごいのは プレイ中ずっと面白いこと です。 この手の超重ゲーはダウンタイムの多さやプレイ時間そのものの長さから、途中でダレてしまうことがありがちですが、「西方帝国/東方帝国」では全くそういうところがありません。 それをもたらしているのは交易であり、ターン制のゲームにリアルタイムのフェイズが混ざることで良い刺激をもたらすと共に、災害を巡る駆け引きが交渉を熱くさせます。 災害は非常に厳しく、人口がいきなり半分になってしまうこともままあります。そうであれば交易をしない方が良いようにも思えるのですが、交易で得られる利益が指数関数的に伸びていく都合上、災害のリスクを負ってでも交易をした方が強いです。 そんな ハイリスク・ハイリターンの交渉をリアルタイムで行う という、従来のウォーゲームにはなかった要素がこのゲームを魅力的にしています。 (余談ですが、この交易はボードゲーム「ピット(Pit)」)に似ているので、HQGamesでは「ピット」と呼んでいます) また、災害の被害が大きいために、強いプレイヤーがずっと強いままで逆転の目がなくゲームが終わるという、重ゲーあるあるの展開にもなりにくいです。 災害の中には負けているプレイヤーに莫大な利益をもたらすものもあり、一度沈んだとしても希望をもってゲームを続けることができます。 人口も倍々ゲームで増加していくので、目まぐるしく戦況は変わっていくこととなります。 その他、移動のような時間がかかかりがちなフェイズを同時に行えるようにするルール設計によりプレイ時間を短縮する工夫があったりと、長時間でもダレずにプレイできるようになっています。 流石にプレイ時間が長いのでプレイには気合いがいるかもしれませんが、その面白さは折り紙付きですので、一度プレイしてはいかがでしょうか。
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2024-04-12

『ELDER GARDEN』ゲーム紹介

「ELDER GARDEN」の世界へようこそ── あなたは古の邪神である 『エルダー』 を信奉する教団の指導者となり、エルダーの完全復活を目指す。 求めるのはエルダーの寵愛のみ。何かに迷っている暇はない。使えるものは全て使え。 信者から搾取し、供物を捧げ、ひたすら祈り、そしていつかはエルダーの膝元まで赴きその身を捧げるのだ! エルダーは無意識に何かを与えるのかもしれないが近付きすぎないように。体が持たない。近付くのならば、覚悟を持って。 危険と隣り合わせの世界で己の願いを叶え、 エルダー降臨の瞬間を見届けるのだ! ゲームシステム紹介 ※本記事に掲載された画像は全て開発中のものです。製品版のコンポーネントとは異なる場合がありますのでご留意ください。 魅力的なフレーバーと落とし込んだ多彩なアクション このゲームでは広いマップの中で 多彩なアクション を行い、 古文書 を読み解いたり自分自身の 信仰 を深めたり新たな 信者 を集めていきます。 一手アクションするたびに没入感に溺れ、 気付けば邪神再誕を願う信徒として手が止まらない ようになること請け合いです! 苦しく辛く、そして超爽快なアクションマネジメント ELDER GARDENでは各プレイヤーが 祭壇 を象りながらアクションを行います。 しかしELDER GARDENのアクションシステムの制約は苦しく辛く、頭を悩ませることでしょう。 1. 毎ラウンド、各プレイヤーはアクションをしますがその数は明確には決まっていません。できる限りアクションをし続けましょう。 2. ただし祭壇にはルールがあり、 表向きのカードは3枚しか置くことができません。 そのため普通は3アクションしか行うことができません……。 3. しかし祭壇に ドクロ を捧げたり、 エルダーの祝福 を受け祭壇のカードを裏向きにすることで さらに多くのアクションをすることができます。 アクションだけでも頭を悩ませる中で、さらにカードを裏返す・ドクロを得ることやそれを通じて得たアクションでさらに行動するという膨大な選択肢からなる難解さと深みこそが醍醐味です。 血の流れる祭壇アクション ここで1種類だけアクション内容の紹介をさせてください。 祭壇アクション は 血 をコストとして捧げることでそれを マナ に変えるというものですが、システムが独特で祭壇作りの際は注意しなければなりません。 上段でコストとした血は下に流れていき、下段のコストの支払いに充てることができるのです! しかし下段にない場合は本来そこに流れて使えるはずの血は無駄になってしまうのです。 さて、難しそう……と思いましたか? その通りです! ただそれだけ、祭壇を裏返したりドクロを置いたりして複数行動し、さらに多くの血を上手に流して儀式ができたときの爽快感は他のゲームでは得難いものでしょう。 果てしないリプレイ性(ゲームを彩る様々なカード) ELDER GARDENでは毎回異なるゲーム体験をもたらしてくれる要素が散りばめられています。 各プレイヤーはゲーム開始時に 同胞 を得て、その能力を活かしてゲームを行います。 誰が同胞となるかでその体験は大きく異なるものになるでしょう。 何よりELDER GARDENでは 膨大な枚数のカード が入っています。これらのカードが無限に新しい体験を与えてくれるでしょう。 そして── ゲームの終了までに邪神エルダーを完全復活させ、そしてその膝元に赴くのです。全てはその瞬間の為に──。 ここまでお読みいただきありがとうございます。 『ELDER GARDEN』は 4月27日(土) のゲームマーケット2024春、 E-01「Head Quarter Games」 ブースにて販売開始予定です! 後日、 事前予約 や 詳細なルール公開 も行っていきますのでX(Twitter)をチェックいただければと思います!
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2024-01-20

「タイタン」モンスターの軍勢を拡大しライバルを蹴散らそう

シンプルなルールでお手軽魔王軍 「タイタン」は、タイタン(魔王)をリーダーとするモンスターの軍勢を率いて、他のプレイヤーのタイタンを倒すことを目指すゲームです。タイタンを倒されたプレイヤーから脱落し、最後に残ったプレイヤーが勝利となります。 「タイタン」では、主に2つのフェイズでゲームが進行します。 1つ目は 「マスタープレイ」 と呼ばれるフェイズで、毎ターンダイスを振って自分の軍勢を ”正体を隠したまま”移動 させ、移動先の地形に応じてモンスターを召集することが出来ます。 この時、他のプレイヤーの軍勢にぶつかった場合には、もう1つのフェイズである 「戦闘」 に移ります。戦闘ではぶつかった軍勢がそれぞれ正体をあらわし、どちらかの軍勢が滅ぼされるまで戦い続ける(もしくは降参する)こととなります。タイタンが倒されたプレイヤーは、その場で脱落となります。 最強の軍勢を目指せ このゲームの魅力的なポイントとして、RPGのように自分の軍勢がだんだんと強くなっていくことがあります。 先ほど述べたように、マスタープレイでは移動先の地形に応じてモンスターを召集できるのですが、この時自分の軍勢にいるモンスターの中から地形に対応したモンスターを 「1体公開して、同じ種類のモンスターを獲得する」 か 「複数体公開して、上位種のモンスターを獲得する」 ことができます。上位種のモンスターを獲得することで、さらに上位種のモンスターを獲得することが出来るようになり、さらにその先に…と、どんどん軍勢が強くなっていきます。軍勢を構成するモンスターの数が多くなってきたら、分割して複数の軍勢にしましょう。 モンスターは大きく分けて 「オーグル・ケンタウルス系」 、 「ガーゴイル系」 の2系統と「その他」があり、モンスターごとに固有の 「パワー値(左の値)」 、「 スキル値(右の値)」 を持っています。パワー値は体力及び攻撃力(=攻撃時にダイスを振れる数)を示す値であり、スキル値は命中率及び回避率を示す値です。上位種のモンスターになるほどこれらは高くなっていき、ガーゴイル系最上位種のサーペントだと 一度の攻撃でなんと18個もダイスを振ることができます。 ダイスジャンキーの方は想像しただけで脳汁が止まりませんね。 ダイスの目など信用ならんと思っている方は、オーグル・ケンタウルス系の最上位種であるコロッサスを目指しましょう。 その他、「遠距離攻撃」や「飛行」などの特殊能力を持っているモンスターもいます。また、モンスターごとに地形の得手不得手があるので、上手く適応した地形で戦うようにすると良いかもしれません。 さらに、軍勢のモンスターだけでなく タイタンもレベルアップ することができます。相手の軍勢を倒すと、倒した軍勢の強さに応じて経験値がもらえるのです。経験値を貯めるとタイタンのパワー値は強化されていき(※タイタンのスキル値は最初から最高値の4です)、さらには通常の召集では得られない天使などの強力なモンスターを獲得できます。 こういったルールもあるので、増やせるからといって軍勢を無尽蔵に拡大していると相手のタイタンの経験値稼ぎに利用されてしまうので、弱い軍勢を無意味に拡大しないよう注意が必要です。 正体を隠したまま軍勢が動くため、軍勢の中にいるモンスターの読み合いもこのゲームの魅力の一つです。モンスターの召集や戦闘をヒントに、どの軍勢にどんなモンスターがいるのかを覚えましょう。特にタイタンがいる軍勢は最終的に倒すべきもの、かつ強力なものなので注意が必要です。 参考:このゲームの題名について なお、本記事ではこのゲームの題名を「タイタン」と呼んでいますが、日本では 「タイタンの掟」 と呼ばれている場合もあります。その昔、このゲームの翻訳者がルールブックの表紙に書いてあった 「Rules of TITAN」 という文章を見て、それがタイトルだと思ったからだとかそうでないとか… まとめ
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2024-01-06

レース・フォー・ザ・ギャラクシー 基本戦術と探索カードの使い方(3)

RFTGは手札を稼ぎ続けるばかりではあまり点数が伸びず勝つことが難しいゲームです。そのため、どこかで手札を消費して点数を稼がなければなりませんがその稼ぎ方は多岐にわたります。 ここでは、戦略に関わらない共通のプレイ方針から戦略の種類、覚えておいた方が良い小ネタというように、巨視的な戦い方から小手先の技術まで順に書いていきます。 前回の記事はこちら 3.1 RFTGをプレイする上での基本的な方針 このゲームはヴァリアブルフェイズシステムを採用しており、自分が選んだ行動は相手も(ハンドさえあれば)行うことが可能です。そのため、「点数差をつけて勝つ」ためには漫然とアクションを選択するのではなく少し工夫が必要です。といっても当たり前のことなのですが 自分は行動できるが他のプレイヤーは行動できないタイミングをつくる(逆に他のプレイヤーの行動にはなるべく乗っかる) 自分の行動で得られる得点を他のプレイヤーよりも大きくする この2つが基本的な方針となります。これを可能にするための大まかなプレイングを解説します。 3.1.1 弱いカードは建てない これが恐らく最も大きなポイントだと思われます。 初心者にありがちなパターンとして、大して強くもないカードを建てるためにハンドを消費してしまい、そのせいで強力なカードを建てられないままゲームが終了してしまう展開 が挙げられます。 「手札に建てられるカードがあるのにパスしてしまう」ことが弱い行動に思えてしまうのは当然のことなのですが、実際はそのカードを建てる方が弱い行動になってしまいます。 じゃあ、その「弱いカード」って何なの?となりますが、この「強いカード」と「弱いカード」は盤面によって変わってくるので一概には言えません。それを的確に見極めることがこのゲームの「上達」の一歩と言えます。 しかし、これでは余りに投げっぱなしなので、ある程度の指標を書きますと、序盤(最初の1~2枚目までの建物)は前記事で挙げたような 「手札基盤となりうるカード(もしくは少し劣るものの似た効果をもつカード)」 が強いカードであり、他のカードのほとんどは「弱い」です。 威信が獲得出来たり小目標が達成出来たりするようないくつかの例外は存在しますが、基本的には序盤は手札基盤の構築に寄与しないカードは建てないようにしましょう。 また、終盤(自分もしくは他のプレイヤーが10枚目の建物を建てる程度)にはなるべく点数効率の良いものを建てましょう。目安としてはそのカードの点数が建てるために支払うコスト以上のもの(6コストのカードならば6点以上)が建てるべき強い建物です。そのターンにゲームが終了してしまうならば、当然4コスト2点のカードも建てたほうが良いですが、1ターン前に4コスト2点のカードを建ててしまったばかりに、次の最終ターンに6コスト8点のカードを建てられなくなっては結果として点数が下がってしまいます。ゲームがいつ終了するかはよく見極めましょう。 このように ゲーム序盤と終盤で「強い建物」「弱い建物」は変わってきます。 たとえば赤字公債は序盤に建てるディベロップとしては最悪の部類ですが、中盤~終盤にかけてはハンドを効率よく点数に変換できるため強い建物と言えます。これは「自分の手札基盤が充分に整っているか否か」によって変わってくるので、ハンド補充能力が不足しているのか、十分なのか、過剰なのかをしっかり把握することが重要です。 3.1.2 手札は常に多く保つ もう一つ初心者にありがちなパターンが、 手札を3~4枚稼いだあとに即座にそれを使おうとしてしまうパターン です。 初期ハンドから3ドローした程度では手札は7枚でこの程度の枚数では充分なハンド数とは言えません。この状態から4コスト程度のカードを建ててしまうと手札の残りは1,2枚でその後2ターンかけてハンドを補充する間パスしか出来なくなってしまいます。そのため、 「このターンだけではなく次のターンに他のプレイヤーからアクションを挟まれてもパスしないで済む」程度のハンドを稼いでからアクションを行う方が良いでしょう (軍事プレイではこのために必要なハンド枚数が圧倒的に少なくなります)。このゲームの手札上限は10枚なので、可能ならば手札は常に10枚近くをキープしておく、ぐらいのつもりでプレイしましょう。 具体例を挙げると 一度$売却したあと、手札は7枚程度ありますが、ここで選択するべきはⅡ発展やⅢ移住ではなく Ⅴ生産 です。 その後、茶色の品物を売却して手札は9枚ありますが、ここでも選択は $売却 です。手札が全体的に高コストなため、自身で発展や移住を選択してしまうと次のターンにパスしか出来ない可能性が高いです。そのため、他のプレイヤーが発展や移住を選択することに期待して売却し、ハンドが多い状態を保ったまま高コストの建物を建てることを狙います。(ディスカードの小目標が存在するため他のプレイヤーが移住や発展を選択せずにディスカードしてしまっても3点獲得できる、という点も含めての選択ですが) 期待通り移住が出たので(発展も出てしまいましたが)、5コストのワールドを建てながらハンド10枚で次のターンを迎えることが出来ました。 あとは、なんやかんや生産出航して勝ちです。 画像2枚目のような状況で、発展や移住ではなく生産を選べるようになると、対戦相手にハンドが少ないという隙を見せることが減って勝ちやすくなると思います。 3.1.3 発展・移住アクションは相手の手札が少ないときを狙う 3.1.2の裏返しのようなことですが、自分のやりたいアクションを挟むときは他のプレイヤーのハンドが少ない時を狙います。特に目標が絡んでいる相手がいる場合、なるべく対抗馬が「建てられなさそう」なタイミングで移住や発展を選択しましょう。 例えば「銀河での地位(最速ギルド建設)」の小目標が出ている場合、他のプレイヤーのハンドが4枚以下ならば確実に自分だけがこの小目標を獲得できます。このように、 「自分だけが点数を稼げるタイミング」はなるべく逃さずに狙っていきましょう。 3.1.4 他のプレイヤーが得る恩恵を意識しすぎない 3.1.3と矛盾しているようですが、少し違います。 前述のとおり、自分だけが恩恵を得られるアクションは逃さない方が良いですが、基本的にそのようなタイミングは稀です。Ⅰ探査が最も分かりやすいアクションで、他のプレイヤーも必ず恩恵を受けてしまうアクションですが、それでも探査は充分に強力なアクションです。手札に建てるべきカードが存在しなかったり、高得点になりうるカードが山札に眠っているのならば他のプレイヤーの手札が1枚増えてしまうことなど考えず打たなければなりません。Ⅴ生産でも「他のプレイヤーがブラックホールを建ててしまって生産が打てない……」と考えていては一生生産を選択できないままゲームに負けてしまいます。 このように、「自分の選択によって他のプレイヤーが得るアドバンテージ」に縛られてしまわずに、 「自分が今一番強い行動」を選択するようにしましょう。 といっても、たまに自分の選択によって対戦相手が十数点伸びてしまうような致命的な行動が存在するのは事実です。そういったときは「死んで覚える」のが一番ですので、原因と結果を考えて次のゲームに活かしましょう。 3.2 RFTGの戦略パターン RFTGにはいわゆる「勝ち筋」が大きく分けて2つあります。 でも少しふれましたが、「出航プレイ」と「建てきり」の2つです。それぞれに何種類かのパターンがあるので、それを紹介します。 3.2.1 出航プレイ 出航プレイは Ⅴ生産で得た品物をⅣ消費(×2)でVPに変えて点数を稼ぐ戦略 です。どこにも「出航」要素が無いじゃん、と思う方はプエルトリコ/Puerto Ricoをプレイしましょう。名作なので。 出航プレイは基本的に生産と消費を繰り返している間は新しいカードをドローしづらいため、盤面点は低くなりがちです。そのため、複数回Ⅳ消費(×2)をおこなう必要があり発展や移住があまり選択されない遅い盤面で強い戦略です。 「出航プレイ」という戦略の中にもいくつかパターンが存在します。 ・VP出航 最もオーソドックスな出航プレイです。 プレイングの方針としては一回のⅣ消費(×2)で6点以上稼げるようになったら、生産と消費を繰り返しVPを稼ぐことになります。ラストターンに3倍出航(威信行動の消費×2)をおこなって大量得点を稼いで勝つのが主なパターンです。VP出航には消費市場などで出航する青出航、鉱業コングロマリットなどで出航する茶出航、多角的経済などによって出航する多色出航などの種類が存在しましたが、「戦争の影」で追加された銀河市場がそんな種類分けがどうでも良くなるぐらい強いのでここでは分けて説明はしません。 初期手札の時点では消費市場で青出航するはずだったのですが、いつの間にか多色出航になってしまいました。 軍事を選択して知性化探索から知性化ギルドでも良かったのですが、侵略されるのが嫌だったのでアルファケンタウリから出航に。予想よりも展開が遅かったので出航が回って勝つことが出来ました。 ・威信出航 出航によってVPではなく威信を得て勝つプレイングです。VPと威信を同時に得る場合も多いですが、一番大きな違いは汎銀河的繁栄や連邦首都などの「特定のカード」を引かないとそもそも成立しない点です。 このゲームプレイではガンギマリな最強の初期手札だったので、初手にあった汎銀河的繁栄をキープしたままプレイを進められましたが、基本的には中盤に運よく出航で威信を稼げるカードを引いたときにとるゲームプランです。 ・星間戦争要因 突然変な名前が出てきてなんのこっちゃかと思われるでしょうが、このカードを使った出航プレイが存在します。 このカードはⅣのフェイズに威信を3点に変えられる能力を持っています。このままでは差し引き2点しか増えておらず、一番多く持っていれば毎ターンVPが貰える威信を支払うほどの恩恵ではないように見えますが、このVP変換は消費の×2特権によって倍になります。すると、突然差し引き5点増えることになり、これはかなり強力なアクションです。 そして、特筆すべきは他の出航プレイと違って威信さえあれば「生産」をする必要がないことです。そのため、 毎ターン消費(×2)を選択することで恐ろしい速さでVPを枯らしてゲーム終了に持ち込むことが可能です。 強力な初手なので、廃品回収を選び出航プレイを目指します。 本来ならば青or多色出航をする予定だったのですが、星間戦争要因を引いたので話が変わりました。 ここから毎ラウンド消費(×2)を選択します。 9ラウンドという早いスピードでゲームが終了しました。 そもそも星間戦争要因を引かなければならず、また出航するための複数個の威信を持っていなければとれない戦略ですが、強力な戦略の一つなので覚えておいた方が良いでしょう。 3.2.2 建てきり 建てきりは出航プレイとは違い、VPではなく 盤面の点数を稼いで勝つ戦略 です。 基本的に軍事プレイがこれに含まれ、また、ディベロップによる建てきりも可能です。他にも、軍事プレイではなく強力な手札基盤から高コストのカードを多く建てて盤面点を稼ぐ方法もあります(威信出航で例に挙げたゲームプレイなどがそれに当たります。威信出航と建てきりのハイブリッドといえる戦略です。ただ強とも言う)。 ・軍事建てきり オーソドックスな建てきり戦略です。 中盤から移住にハンドコストを必要としなくなるので、多くのワールドを建てることが可能です。 出航プレイの盤面が整い生産出航が回りだす前にゲームを終わらせる のが主な勝ち筋になります。 初手は知性化一択です。 最終ラウンドに発展と移住の両方が出たため兵站増強からワールドを2つ出し1ラウンドはやくゲームを終了させて勝ちました。 ・ディベロップ建てきり 銀河開発者が最も取りやすい戦略です。Ⅱ発展のたびに2ドロー以上出来るような盤面をつくり、発展を連打することで他のプレイヤーよりもはやく建てきることを目指します。軍事建てきりと違って、Ⅱ発展は連打されると他のプレイヤーはついてこれないことが多く 他のプレイヤーと建物数で差をつけやすい のが特徴です。 軍事初期ワールドが知性化傭兵部隊やニュースパルタならばそちらを選びますが、帝国軍司令官なのでディベロップの大目標も加味して銀河開発者を選びます。 2ターン目に「知性化探索」によって2軍事緑ワールドを探しています。他のプレイヤーよりも圧倒的に多くのディベロップを場に出せていることが分かります。 3.3 RFTGの小ネタ 知っておくと少し有利になる小技を紹介します。 3.3.1 Ⅲ移住読み$売却 やることは簡単で 自分のハンドに単発生産ワールドが存在するときに、移住ではなく売却を選び、他のプレイヤーの移住で単発生産ワールドを出し、その品物をそのラウンド中に売却しハンドを補充する 小技です。 基本中の基本の技ですが、他のプレイヤーよりも早くハンド補充出来るため 「他のプレイヤーのがハンドが少ないタイミングで発展や移住を挟みやすくなる」 のが大きなポイントです。 ただし、当然のことながら他のプレイヤーが誰も移住を出さなかった場合は虚無が待っているため諸刃の剣であることは覚えておきましょう。以下のような状況は移住が比較的出やすいと言えるので狙ってみると良いかもしれません。 例としてはこのような感じですが、実際はこのような盤面だとせっかく強いハンドなのに出遅れるリスクが大きいので大人しく移住を選択したほうが良いです多分。 また、初期ワールドがオールドアースのような出航能力を持ってしまっている初期ワールドであったり、持っている単発生産ワールドが異性種族玩具店のような出航能力を持ってしまっている単発生産ワールドであったりする場合は、普通に移住を選択した場合に他のプレイヤーの売却によってVPになってしまうことがあります。このような時はリスクを背負ってでも移住読み売却をした方が良いでしょう。 3.3.2 2出航探索 既に小技ですらないですが、出航プレイを計画している時に頻発するのが「手札基盤は整ったのに出航能力を持つワールドorディベロップが無い」という事態で、この時に役立つのが 「2つ以上の品物を出航出来るディベロップorワールド」探索 です。この探索には外れも多いですが、その分当たりも強力なので、探索カードが残っているならばⅠ探査で探すよりは探索した方が勝率が高まります。 このようにドロー能力は足りているのに複数の品物を出航できるカードが無い時に2出航探索をします。 運よく当たりの1つである銀河市場が手に入りました。 なんやかんや生産出航して勝ちです。 3.3.3 威信$売却 ゲーム中一回しか行えない代わりに強力な威信行動は選択肢が多く適切なタイミングを選ぶのが難しいですが、威信売却は点数パフォーマンスが良い使いどきが存在します。それは小目標の「銀河の名誉ある地位(2威信3点)」や「銀河の生活水準(5点)」が出ていて、自分を含めて威信を持っているプレイヤーが複数いる時です。 毎ターン貰える威信ボーナスVPによって達成されることが多いこの目標。例えば、自分のVPが3点・相手のVPが4点でお互い威信1つのような状況では「銀河の生活水準(5点)」を取ることは難しいように見えます。序盤は出航能力がないことが多くVPを手に入れる手段が無かったり、あったとしても$売却ではなく消費(×2)を選択してしまうと今後の手札が厳しくなってしまったりします。このような時に威信売却を行うと手札を2枚まで捨てて2点を得られるボーナスによって奇襲的に目標を取ることが出来ます。 売却+3のボーナスも得られるため手札が少なくなってキツくなることも無く、覚えておいた方が良い小技です。 立ち上がりが遅く5点のボーナスは取られてしまいましたが、帝国侵攻艦隊によって3威信を得た次のターンです。このままでは銀河安全保障理事会をコントロールしているプレイヤー(真ん中上のプレイヤー)に2威信3点の目標を取られてしまいますが、威信売却をすることで自分も目標を獲得することが出来ました。 3.3.4 非軍事ワールド侵略 帝国侵攻艦隊と(主に)星間戦争要因のコンボによって非軍事ワールドを侵略することが可能です。 あまり狙って起きることではありませんが、適切なタイミングで行えば負けゲームを勝ちに出来るテクニックです。小技というか必殺技ですね。 初期手札があまり良くないので知性化で始めます。 知性化探索によって辺りを引けたのでそのまま建ててドローします。 しかし真ん中上のプレイヤーと大きく点差をあけられてしまい、このままでは発展を連打されて負けてしまいます。 そこで星間戦争要因を建て、相手の異性種族の観光名所を侵略することで強力な出航能力を奪います。 無事侵略に成功しました。 その後は倍出航を繰り返してVPを稼ぎ 強力なギルドをドロー出来たこともありなんとか勝つことが出来ました。 4.終わりに まだまだ書き切れていない戦略や小技もありますが、既にとんでもない文量になってしまったので、ここらで一区切りとします。 で書いたようにRFTGはAIが強力なためボードゲームにしては珍しく一人で練習できるゲームですのでスマホアプリが第三拡張までリリースされたこの機会に修業してみてはいかがでしょうか。 ※本記事はこちらのブログ記事の再掲となります。
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2023-12-23

レース・フォー・ザ・ギャラクシー 基本戦術と探索カードの使い方(2)

前回の記事はこちら 2.3 手札の回し方 初期ワールドを選んだあと、ゲーム序盤でどのようにすれば良いのか。これが、このゲームの難関の1つです。 初期手札は4枚しかなくカードを1、2枚建てたら無くなってしまう。カードを補充しようにもⅠの探査ではカードは2枚ずつしか増えていかず、他プレイヤーの発展や移住に対してパスが続く……このようなパターンが初心者にありがちです。 こういった「ドン詰まり」のパターンに陥ってしまうとまず勝てません。こういった事態を避けるために「手札基盤」を構築することがこのゲームの序盤で最も重要なポイントです。 ・手札基盤 では手札基盤とはなんなのか。 私が勝手にそう呼んでいるだけなのでなんなのかもへったくれもないのですが、ここでは「探査(Ⅰ)を打つよりも高効率でハンドを増やせるディベロップorワールド」(もしくはその組み合わせ)のことを指します。これをなるべく早く場に建てることで、ハンドを増やし点数を稼げるようにします。 探査(Ⅰ)は打つことで自分のハンドが+2、他のプレイヤーのハンドが+1されるので毎ターン他プレイヤーに比べて差し引き+1ハンドされます。「手札基盤」はこれよりも高効率のものが該当し、探査の「1ターンあたり+1ハンド」を超える「1ターンあたり+2ハンド」が基準となります。例えば失われた地球植民地が場にある状態で生産(Ⅴ)→売却($)と動くと2ターンかけて2ドローすることになります(ここでは一旦他プレイヤーが生産によって得るアドバンテージは無視します)。これでは探査(Ⅰ)を2ターン続けて行っていたほうが新しいカードに6枚アクセス出来る分はるかにマシです。 一方、彗星宙域が場にある状態で同様に生産(Ⅴ)→売却($)と動くと、2ターンかけて4ドローでき、「1ターンあたり+2ハンド」の基準を満たしています。そのため彗星宙域は「手札基盤」と呼べるカードであり、(1)で挙げたように「初手にあって強いカード」なのです。 ・手札基盤の構築 手札基盤の構築方法は既に述べたように彗星宙域のような効率よくドロー出来るワールドを建設すれば完了する話なのですが、残念ながらこういったワールドが都合よく毎回ハンドくるわけではありません。そのため、いくつか他の手段も覚えておいた方が良いでしょう。 1. 売却($)を強化する 銀河の廃品回収者は初期状態では基盤になりませんが、通商基地(売却値+2)を建てることで2ターンで4ドロー出来るようになり手札基盤として使うことが出来ます。 2. 発展(Ⅱ)を強化する 1番分かりやすいのがこの組み合わせで、発展をおこなうだけで毎ターン3ドロー1ディスカードとなり1ターン+2を満たせます(星間銀行でも満たせます)。銀河開発者でなくとも銀河政治の黒幕と星間銀行が初手にあった場合は発展強化による手札基盤の構築を狙っても良いでしょう。 3. 探査によって探す 探査(Ⅰ)が強化されているワールドならば探査で探すのも現実的です。しかし、いくら強化されていても見つからない時は見つからないためリスクがあります。 4. 探索によって探す ゲーム中一回だけ使える探索カードですが、初手が弱い場合は遠慮なく手札基盤のために使ったほうが良いです。 しかし、右上の「非軍事単発生産ワールド1コスト/2コスト」は、売却して4ドロー以上出来る手札基盤となりうる「当たり」が2枚しかありません。そのため非軍事初期ワールドではこの方法はあまりオススメ出来ません(失われた地球植民地などが初手が弱い場合に選ばないほうが良い理由です)。 軍事ワールドの場合は(1)のニュースパルタの項で述べたように「知性化探索」を行うことで高確率で基盤となるワールドを手に入れることが出来ます。 「知性化」マークを持っているカードの多くは2軍事緑単発生産ワールドで、当然外れもありますが(4種類)探索が一回キャンセル出来ることを考えるとおよそ87%の確率で手札基盤を手に入れることが出来ます。 これは充分期待できる確率であり初手に探索を使う価値があります。初手から2軍事のワールドを建てられるニュースパルタや知性化傭兵部隊はもちろん、1軍事しかわかない分離主義者コロニーや帝国軍司令官のような軍事初期ワールドも手札に軍事を1以上伸ばせる軽いディベロップがあればこの方法により手札基盤を得ることが出来るため狙っていった方が良いでしょう。 == (3)に続きます。 ※本記事はこちらのブログ記事の再掲となります。
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2023-12-17

レース・フォー・ザ・ギャラクシー 基本戦術と探索カードの使い方(1)

皆さんはRace for the Galaxy(レース・フォー・ザ・ギャラクシー)という神ゲーをご存知でしょうか。非常に有名なゲームですので全人類の皆さんが知っているかと思いますが、ここではその基本戦術とゲームの要である探査カードの使い方について書こうと思います。 1. Race for the Galaxy というゲームについて 全人類の皆さんが知っているRace for the Galaxy (以下、RFTG)について、万が一知らない方がいるとマズいので一応簡単な説明をしますと、あなたは宇宙のとある星のリーダーとなり、その星間国家をいかに繫栄させるかを競うゲームです。手札から自分の場にカードを出すことで他の星に勢力を拡大したり新たな技術を開発することが可能で、点数を最も稼いだプレイヤーの勝ちとなります。 細かい点までインスト(ルール説明)をしていると日が暮れてしまう(リアルでRFTGのインストを拡張を含めておこなうと数十分かかってしまうのがこのゲームの数少ない欠点です)ので、詳細なルールが気になった方はググってください。 RFTGの魅力はいくつかあります。手ごろなプレイ時間に加え独自のゲーム性や自身の国家を強化していく楽しみ、などなど挙げればキリがありませんが、これに関しては他のゲームでも味わえますし人によって感じ方は違います。しかし、RFTGには他のゲームにはない、そして人によっても不変の長所が1つあります。それは アプリ版のAIがめちゃくちゃ強い ということです。「え、そんなこと?」と思われるかもしれませんが、とても重要なことです。 ボードゲームの最大の欠点は「人を集めないと出来ない」ことであり、当然そんなに頻繫には出来ません。そんなボードゲームを出来ない不満を解消してくれるのがボードゲームのアプリです。 最近は様々なボードゲームがアプリとして販売されていますが、たいていの場合「AIはとても弱い」です(最近だとThrouge the Ages のアプリのAIは中々強かったですが稀です)。つまり人とやる時に比べて手ごたえが全くなくつまらないものが多いのですが、RFTGの場合は違います。人と遜色ない、むしろ人より強いのではないかと思えるほどAIが強く、満足できるゲームプレイをPCやスマホで手軽に楽しめる、これは大きな長所と言えるでしょう。 PC版(http://keldon.net/rftg/)は無料で遊べますし、アプリ版はiOS/Androidのどちらからもリリースされています(有料ですが)。PC版とアプリ版は共通のAIが使用されているので、どちらも充実したゲームプレイを楽しめ、ルールは少し難しいですが間違いなく面白いゲームであることはリアルとアプリを合わせて10000回以上はプレイしている私が保証しますので是非遊んでみて下さい。 2. Race for the Galaxy の基本戦術 1.でRFTGのアプリの宣伝をしたらもう満足してしまったのですが、基本戦術の記事だったことを思い出したので書こうと思います。(※やっぱりルール説明はしません。基本的に既プレイの方を想定して書いています。) RFTGは基本セットに同時に追加できる3つの拡張とそれぞれ別枠で遊ぶ拡張が2つ出ていまが、ここでは基本セットに「嵐の予兆」「帝国対反乱軍」「戦争の影」の3つの拡張を追加したゲームを想定して書きます。 ※RFTGは「基本セットが最高派」「第一拡張(嵐の予兆)までが最高派」など色々な派閥がいますが私は「第三拡張まで入れたRFTGが最高」派です。理由は色々ありますが、「探索カードの存在によって初手依存度が低い」「1位を目指せるゲームプランが多い」「追加されたカードの効果が強くゲームが派手」などなど纏めると「1番実力が勝率に反映される(と思う)」セットだからです。 RFTGは手札の回し方も点数の稼ぎ方も分かりづらく、どちらも理解するには時間がかかってしまうことが多いです。ここでは「初手・初期ワールドの決め方」「手札の回し方」「点数の稼ぎ方」についてそれぞれわけて説明します。 2.1 初手・初期ワールドの決め方 このゲームで1番難しいうえに、ゲームを決めるといっても過言ではないほど大きな要素である初期ワールドの決め方ですが、非常に複雑です。目標と初手との兼ね合いで大きく変わります。それぞれのワールドごとにどのような時に選べばよいかを書きますが、その前に初手を決める際に大事な「早いゲーム/遅いゲームになりそうな目標」と「初手にあって強いカード」について書きます。 ・早いゲームになりそうな目標(建てきりが多数) 基本的に「出航プレイ」を行うプレイヤーが少なく「建てきり」を選択するプレイヤーが多くなりそうな目標のことです。 出航プレイ:生産と2倍消費によって品物をVPに変えることで勝ちを目指すプレイ 建てきり:12個のワールドやディベロップを場に出すことで、基本点や6コストディベロップ(ギルド)の点数によって勝ちを目指すプレイ これらが出ている盤面では比較的ゲームが早く終わることが予想されます。当然、必ずそのようなゲーム展開になるとは限りませんが、初期ワールドを決める目安としては充分な情報になります。 これらが出ている盤面を「早い盤面」と呼称することにします。 ・遅いゲームになりそうな目標(出航プレイが多数) 逆に「出航プレイ」を選択するプレイヤーが多くなりそうな目標になります。これらが出ている盤面を「遅い盤面」と呼称することにします。 ・初手にあって強いカード 「初手にあったときに」強いカードです。後述する手札基盤となりうるものが多いです。そのため、ゲーム全体で見ても強いカードもありますが基本的に得点源になるようなカードは含まれていません。後述する「初手が強い」「初手が弱い」はこれらのカードが1枚でも含まれていれば「強い」、1枚も含まれていないければ「弱い」として考えてください。 ※軍事ワールドは軍事初期ワールドを選択した場合強いカードです 2.2 初期ワールド個別評価 ・オールドアース この初期ワールドは遅い盤面で選びます。しかし、初手に強いワールドがある場合は問題ありませんが、初手が弱いときに自身のみでは品物を生み出せないため手札を回せなくなってしまう場合があります。配られたもう一枚の軍事初期ワールドが初手と噛み合っているならば盤面の目標と噛み合っていなくてもそちらを選んだほうが勝てる可能性が高いので、軍事初期ワールドを選びましょう。 ・イプシロン・エリダニ星系 この初期ワールドは、「なるべく選ばないほうが良い」ワールドです。軍事力が重要な基準値である2に達しておらず、また消費能力を持って「しまって」いることにより序盤の手札リソースの確保が特に難しいためです。このワールドを選んだ場合は「発展の指導者(最速8建設)」や「最大産業国家(青茶3+)」などの目標を取りながらとにかく早く建て切ることを目指しますが、他プレイヤーの動きを的確に読む必要がありますし、対戦相手のパワーカード1枚で負けるような綱渡りのプレイになるので、このゲームに慣れてきてから使うことをオススメします。 ・アルファ・ケンタウリ星系 この初期ワールドは基本的に遅い盤面で選びますが、早い盤面でも早いゲームについていけるだけのポテンシャルがあるので初手が噛み合っていれば選んで構いません。また、少し心もとないものの手札を回転させるだけの基盤を自身が担えるので初手が弱い場合も選ぶべきワールドです。噛み合うカードとしては以下のようなものがあります。 ・ニュースパルタ この初期ワールドは早い盤面で選びます。詳しくは後述しますが探索の「知性化探索」を選択することで、高確率で手札基盤を構築出来るので初手が弱い場合も選ぶべきワールドとなります。 ・失われた地球植民地 この初期ワールドは遅い盤面で選びます。このカードだけでは手札基盤になりづらいので手札が弱い場合は選ばないほうが良いです。以下のカードを初手に持っている場合は、盤面如何に関わらず選んだ方が良いです。 ・分離主義者コロニー この初期ワールドは早い盤面で選びます。ただし、軍事力を上げられる3コスト以下のディベロップが初手になく、かつ非軍事の強いワールドが初手にある場合は相方の非軍事初期ワールドで始めたほうが良い場合があります。また、1番の探査能力によって強いカードを探しに行けるため、初手が弱い場合も選択するべきワールドです。 ・古代種族 この初期ワールドは遅い盤面で選びます。初手の依存度が低く、自身も手札基盤になれるうえに、初ターンが弱い以外は採れるゲームプランも豊富という特徴があります。そのため、もう1枚の軍事初期ワールドがニュースパルタと知性化傭兵部隊以外で、かつ初手が弱い場合は早い盤面でも選びます。 初手に以下のカードがあれば相方がニュースパルタと知性化傭兵部隊でない場合は選択します。相方がそれらだった場合は目標とより噛み合うほうを選択します。 ・損傷異性種族工場 この初期ワールドは遅い盤面で選びます。立ち上がりが非常に遅いため、他の遅い盤面向けの初期ワールドの中でも特に盤面のスピードが勝率に直結するワールドです。自身が手札基盤になれるため初手が弱いときも選ぶべきワールドですが、目標に最大軍事国家(軍事力6+)や軍事的影響力(軍事ワールド4つ/帝国3つ)などが出ていて、明らかに「軍事プレイ」をするプレイヤーが居そうな盤面では、侵略によって自分の場からこのワールドが消えることも珍しくありません、そのため、相方がオールドアースや地球植民地などの初手が弱い時に動けない非軍事初期ワールドでかつ初手が弱いなどでない限りは選択するのは避けたほうが良いでしょう。 軍事プレイ︰軍事力を上げて軍事ワールドをコストを支払わずに建てていくプレイ。「建てきり」の最もメジャーなパターン。 ・滅びゆく世界 この初期ワールドは初手に強く依存するカードで、盤面に関わらず以下のカードが初手にあるならば選択します。また、初手にあって強いとされている3コストのワールド(知性化遺伝子ブリーダーなど)がある場合も、このワールドを選択し効果を使用してそれらのワールドを建てるプレイングが有効です。初手にそれらのカードがない場合は、相方の軍事初期ワールドが盤面にあっているならば相方を、そうでないならば滅びゆく世界を選びます(その場合、1ターン目は探査から入ることが多いです)。 ・反乱軍酒場 この初期ワールドは早い盤面にも遅い盤面にも適性があります。初手が弱くとも「知性化探索」によって基盤を作ることが可能です。しかし、爆発力に欠ける面があるため、相方が盤面にあっていたり初手と噛み合っていたりした場合はそちらを選びましょう。また、以下のカードとシナジーがあるので、初手にある場合は初期ワールドとして選ぶ優先度が高まります。 ・銀河開発者 この初期ワールドは基本的には遅い盤面で選ぶべきワールドですが、初手依存度が高く、初手が弱い場合はあまり選ぶべきではありません。また、最大開発国家(ディベロップ4+)が存在する盤面では自身が建てきりを狙って動くこともあります。 以下のカードが初手にあるとき、特に銀河政治の黒幕が存在する場合は盤面如何に関わらずこのカードを選択します。 ・帝国軍司令官 この初期ワールドは早い盤面で選びます。ただ、初手に軍事力が上がる3コスト以下のディベロップカードが無い場合は手札基盤づくりに失敗してしまうリスクがあるので相方がさほど弱くないならばそちらを選んだほうが良いでしょう。このワールドは名前に「帝国」が入っているデメリットが大きく、序盤に出て来る「反乱軍奇襲」や得点リソースとして優秀な「反乱軍同盟」などから侵略を受けてしまいます。そのため、軍事ワールドにも関わらず損傷異性種族工場で挙げたような「軍事プレイをしそうな人が多い盤面」では逆に選びづらいというジレンマを抱えてしまっています。当然リスクを承知で選ばなければならない事も多いですが、このワールドを選択した場合は常に侵略を受ける可能性を念頭においてプレイしましょう。 ・銀河の廃品回収者 この初期ワールドは遅い盤面で選びます。立ち上がりは遅めですが効果が非常に強力なため、出航プレイが許されるゲームスピードならば1位を狙いやすいと言えます。そのため、初手依存度は比較的高めですが遅い盤面なら選んだほうが良いでしょう。 初手に以下のカードがあれば盤面如何に関わらず選びます。 ・知性化傭兵部隊 この初期ワールドは早い盤面で選びます。ニュースパルタと同じく「知性化探索」によって安定して手札基盤を作ることが出来るので初手依存度は低いです。軍事力がディベロップに頼らず3までは安定して伸びるので、軍事プレイが非常にしやすく盤面が比較的遅めでも戦えるポテンシャルがあります。 また、強烈にシナジーする以下の2つのカードのどちらかでも初手にあった場合は相方や盤面を一切無視してこのカードを選びます。 ・異性種族調査隊 この初期ワールドは遅い盤面で選びます。探査能力の強化があるので初手が弱い場合も選びますが、一部のカードとシナジーするタイプのワールドなのでプレイングが難しいです。そのため、以下に挙げるようなカードが無く相方の軍事で戦えそうならばそちらを選択したほうが良いでしょう。相方の軍事も弱かった場合(イプシロン・エリダニ星系)はこちらを選びます。 以下のカードが初手にある場合は、選択する価値が高まります。 ・反乱軍自由闘士 このワールドは早い盤面で選びます。非常に初手依存度が高いワールドで反乱軍ネームの軽いカードを複数枚持っている場合は盤面に関わらず選びます。しかし、早い盤面でも軍事力が伸びづらく軍事プレイをしづらいことが多いため、初手が非軍事ワールド寄りならばそちらを選びましょう。 == (2)に続きます。 ※本記事はこちらのブログ記事の再掲となります。

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