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タグ:レース・フォー・ザ・ギャラクシー
2024-01-06
レース・フォー・ザ・ギャラクシー 基本戦術と探索カードの使い方(3)
RFTGは手札を稼ぎ続けるばかりではあまり点数が伸びず勝つことが難しいゲームです。そのため、どこかで手札を消費して点数を稼がなければなりませんがその稼ぎ方は多岐にわたります。 ここでは、戦略に関わらない共通のプレイ方針から戦略の種類、覚えておいた方が良い小ネタというように、巨視的な戦い方から小手先の技術まで順に書いていきます。 前回の記事はこちら 3.1 RFTGをプレイする上での基本的な方針 このゲームはヴァリアブルフェイズシステムを採用しており、自分が選んだ行動は相手も(ハンドさえあれば)行うことが可能です。そのため、「点数差をつけて勝つ」ためには漫然とアクションを選択するのではなく少し工夫が必要です。といっても当たり前のことなのですが 自分は行動できるが他のプレイヤーは行動できないタイミングをつくる(逆に他のプレイヤーの行動にはなるべく乗っかる) 自分の行動で得られる得点を他のプレイヤーよりも大きくする この2つが基本的な方針となります。これを可能にするための大まかなプレイングを解説します。 3.1.1 弱いカードは建てない これが恐らく最も大きなポイントだと思われます。 初心者にありがちなパターンとして、大して強くもないカードを建てるためにハンドを消費してしまい、そのせいで強力なカードを建てられないままゲームが終了してしまう展開 が挙げられます。 「手札に建てられるカードがあるのにパスしてしまう」ことが弱い行動に思えてしまうのは当然のことなのですが、実際はそのカードを建てる方が弱い行動になってしまいます。 じゃあ、その「弱いカード」って何なの?となりますが、この「強いカード」と「弱いカード」は盤面によって変わってくるので一概には言えません。それを的確に見極めることがこのゲームの「上達」の一歩と言えます。 しかし、これでは余りに投げっぱなしなので、ある程度の指標を書きますと、序盤(最初の1~2枚目までの建物)は前記事で挙げたような 「手札基盤となりうるカード(もしくは少し劣るものの似た効果をもつカード)」 が強いカードであり、他のカードのほとんどは「弱い」です。 威信が獲得出来たり小目標が達成出来たりするようないくつかの例外は存在しますが、基本的には序盤は手札基盤の構築に寄与しないカードは建てないようにしましょう。 また、終盤(自分もしくは他のプレイヤーが10枚目の建物を建てる程度)にはなるべく点数効率の良いものを建てましょう。目安としてはそのカードの点数が建てるために支払うコスト以上のもの(6コストのカードならば6点以上)が建てるべき強い建物です。そのターンにゲームが終了してしまうならば、当然4コスト2点のカードも建てたほうが良いですが、1ターン前に4コスト2点のカードを建ててしまったばかりに、次の最終ターンに6コスト8点のカードを建てられなくなっては結果として点数が下がってしまいます。ゲームがいつ終了するかはよく見極めましょう。 このように ゲーム序盤と終盤で「強い建物」「弱い建物」は変わってきます。 たとえば赤字公債は序盤に建てるディベロップとしては最悪の部類ですが、中盤~終盤にかけてはハンドを効率よく点数に変換できるため強い建物と言えます。これは「自分の手札基盤が充分に整っているか否か」によって変わってくるので、ハンド補充能力が不足しているのか、十分なのか、過剰なのかをしっかり把握することが重要です。 3.1.2 手札は常に多く保つ もう一つ初心者にありがちなパターンが、 手札を3~4枚稼いだあとに即座にそれを使おうとしてしまうパターン です。 初期ハンドから3ドローした程度では手札は7枚でこの程度の枚数では充分なハンド数とは言えません。この状態から4コスト程度のカードを建ててしまうと手札の残りは1,2枚でその後2ターンかけてハンドを補充する間パスしか出来なくなってしまいます。そのため、 「このターンだけではなく次のターンに他のプレイヤーからアクションを挟まれてもパスしないで済む」程度のハンドを稼いでからアクションを行う方が良いでしょう (軍事プレイではこのために必要なハンド枚数が圧倒的に少なくなります)。このゲームの手札上限は10枚なので、可能ならば手札は常に10枚近くをキープしておく、ぐらいのつもりでプレイしましょう。 具体例を挙げると 一度$売却したあと、手札は7枚程度ありますが、ここで選択するべきはⅡ発展やⅢ移住ではなく Ⅴ生産 です。 その後、茶色の品物を売却して手札は9枚ありますが、ここでも選択は $売却 です。手札が全体的に高コストなため、自身で発展や移住を選択してしまうと次のターンにパスしか出来ない可能性が高いです。そのため、他のプレイヤーが発展や移住を選択することに期待して売却し、ハンドが多い状態を保ったまま高コストの建物を建てることを狙います。(ディスカードの小目標が存在するため他のプレイヤーが移住や発展を選択せずにディスカードしてしまっても3点獲得できる、という点も含めての選択ですが) 期待通り移住が出たので(発展も出てしまいましたが)、5コストのワールドを建てながらハンド10枚で次のターンを迎えることが出来ました。 あとは、なんやかんや生産出航して勝ちです。 画像2枚目のような状況で、発展や移住ではなく生産を選べるようになると、対戦相手にハンドが少ないという隙を見せることが減って勝ちやすくなると思います。 3.1.3 発展・移住アクションは相手の手札が少ないときを狙う 3.1.2の裏返しのようなことですが、自分のやりたいアクションを挟むときは他のプレイヤーのハンドが少ない時を狙います。特に目標が絡んでいる相手がいる場合、なるべく対抗馬が「建てられなさそう」なタイミングで移住や発展を選択しましょう。 例えば「銀河での地位(最速ギルド建設)」の小目標が出ている場合、他のプレイヤーのハンドが4枚以下ならば確実に自分だけがこの小目標を獲得できます。このように、 「自分だけが点数を稼げるタイミング」はなるべく逃さずに狙っていきましょう。 3.1.4 他のプレイヤーが得る恩恵を意識しすぎない 3.1.3と矛盾しているようですが、少し違います。 前述のとおり、自分だけが恩恵を得られるアクションは逃さない方が良いですが、基本的にそのようなタイミングは稀です。Ⅰ探査が最も分かりやすいアクションで、他のプレイヤーも必ず恩恵を受けてしまうアクションですが、それでも探査は充分に強力なアクションです。手札に建てるべきカードが存在しなかったり、高得点になりうるカードが山札に眠っているのならば他のプレイヤーの手札が1枚増えてしまうことなど考えず打たなければなりません。Ⅴ生産でも「他のプレイヤーがブラックホールを建ててしまって生産が打てない……」と考えていては一生生産を選択できないままゲームに負けてしまいます。 このように、「自分の選択によって他のプレイヤーが得るアドバンテージ」に縛られてしまわずに、 「自分が今一番強い行動」を選択するようにしましょう。 といっても、たまに自分の選択によって対戦相手が十数点伸びてしまうような致命的な行動が存在するのは事実です。そういったときは「死んで覚える」のが一番ですので、原因と結果を考えて次のゲームに活かしましょう。 3.2 RFTGの戦略パターン RFTGにはいわゆる「勝ち筋」が大きく分けて2つあります。 でも少しふれましたが、「出航プレイ」と「建てきり」の2つです。それぞれに何種類かのパターンがあるので、それを紹介します。 3.2.1 出航プレイ 出航プレイは Ⅴ生産で得た品物をⅣ消費(×2)でVPに変えて点数を稼ぐ戦略 です。どこにも「出航」要素が無いじゃん、と思う方はプエルトリコ/Puerto Ricoをプレイしましょう。名作なので。 出航プレイは基本的に生産と消費を繰り返している間は新しいカードをドローしづらいため、盤面点は低くなりがちです。そのため、複数回Ⅳ消費(×2)をおこなう必要があり発展や移住があまり選択されない遅い盤面で強い戦略です。 「出航プレイ」という戦略の中にもいくつかパターンが存在します。 ・VP出航 最もオーソドックスな出航プレイです。 プレイングの方針としては一回のⅣ消費(×2)で6点以上稼げるようになったら、生産と消費を繰り返しVPを稼ぐことになります。ラストターンに3倍出航(威信行動の消費×2)をおこなって大量得点を稼いで勝つのが主なパターンです。VP出航には消費市場などで出航する青出航、鉱業コングロマリットなどで出航する茶出航、多角的経済などによって出航する多色出航などの種類が存在しましたが、「戦争の影」で追加された銀河市場がそんな種類分けがどうでも良くなるぐらい強いのでここでは分けて説明はしません。 初期手札の時点では消費市場で青出航するはずだったのですが、いつの間にか多色出航になってしまいました。 軍事を選択して知性化探索から知性化ギルドでも良かったのですが、侵略されるのが嫌だったのでアルファケンタウリから出航に。予想よりも展開が遅かったので出航が回って勝つことが出来ました。 ・威信出航 出航によってVPではなく威信を得て勝つプレイングです。VPと威信を同時に得る場合も多いですが、一番大きな違いは汎銀河的繁栄や連邦首都などの「特定のカード」を引かないとそもそも成立しない点です。 このゲームプレイではガンギマリな最強の初期手札だったので、初手にあった汎銀河的繁栄をキープしたままプレイを進められましたが、基本的には中盤に運よく出航で威信を稼げるカードを引いたときにとるゲームプランです。 ・星間戦争要因 突然変な名前が出てきてなんのこっちゃかと思われるでしょうが、このカードを使った出航プレイが存在します。 このカードはⅣのフェイズに威信を3点に変えられる能力を持っています。このままでは差し引き2点しか増えておらず、一番多く持っていれば毎ターンVPが貰える威信を支払うほどの恩恵ではないように見えますが、このVP変換は消費の×2特権によって倍になります。すると、突然差し引き5点増えることになり、これはかなり強力なアクションです。 そして、特筆すべきは他の出航プレイと違って威信さえあれば「生産」をする必要がないことです。そのため、 毎ターン消費(×2)を選択することで恐ろしい速さでVPを枯らしてゲーム終了に持ち込むことが可能です。 強力な初手なので、廃品回収を選び出航プレイを目指します。 本来ならば青or多色出航をする予定だったのですが、星間戦争要因を引いたので話が変わりました。 ここから毎ラウンド消費(×2)を選択します。 9ラウンドという早いスピードでゲームが終了しました。 そもそも星間戦争要因を引かなければならず、また出航するための複数個の威信を持っていなければとれない戦略ですが、強力な戦略の一つなので覚えておいた方が良いでしょう。 3.2.2 建てきり 建てきりは出航プレイとは違い、VPではなく 盤面の点数を稼いで勝つ戦略 です。 基本的に軍事プレイがこれに含まれ、また、ディベロップによる建てきりも可能です。他にも、軍事プレイではなく強力な手札基盤から高コストのカードを多く建てて盤面点を稼ぐ方法もあります(威信出航で例に挙げたゲームプレイなどがそれに当たります。威信出航と建てきりのハイブリッドといえる戦略です。ただ強とも言う)。 ・軍事建てきり オーソドックスな建てきり戦略です。 中盤から移住にハンドコストを必要としなくなるので、多くのワールドを建てることが可能です。 出航プレイの盤面が整い生産出航が回りだす前にゲームを終わらせる のが主な勝ち筋になります。 初手は知性化一択です。 最終ラウンドに発展と移住の両方が出たため兵站増強からワールドを2つ出し1ラウンドはやくゲームを終了させて勝ちました。 ・ディベロップ建てきり 銀河開発者が最も取りやすい戦略です。Ⅱ発展のたびに2ドロー以上出来るような盤面をつくり、発展を連打することで他のプレイヤーよりもはやく建てきることを目指します。軍事建てきりと違って、Ⅱ発展は連打されると他のプレイヤーはついてこれないことが多く 他のプレイヤーと建物数で差をつけやすい のが特徴です。 軍事初期ワールドが知性化傭兵部隊やニュースパルタならばそちらを選びますが、帝国軍司令官なのでディベロップの大目標も加味して銀河開発者を選びます。 2ターン目に「知性化探索」によって2軍事緑ワールドを探しています。他のプレイヤーよりも圧倒的に多くのディベロップを場に出せていることが分かります。 3.3 RFTGの小ネタ 知っておくと少し有利になる小技を紹介します。 3.3.1 Ⅲ移住読み$売却 やることは簡単で 自分のハンドに単発生産ワールドが存在するときに、移住ではなく売却を選び、他のプレイヤーの移住で単発生産ワールドを出し、その品物をそのラウンド中に売却しハンドを補充する 小技です。 基本中の基本の技ですが、他のプレイヤーよりも早くハンド補充出来るため 「他のプレイヤーのがハンドが少ないタイミングで発展や移住を挟みやすくなる」 のが大きなポイントです。 ただし、当然のことながら他のプレイヤーが誰も移住を出さなかった場合は虚無が待っているため諸刃の剣であることは覚えておきましょう。以下のような状況は移住が比較的出やすいと言えるので狙ってみると良いかもしれません。 例としてはこのような感じですが、実際はこのような盤面だとせっかく強いハンドなのに出遅れるリスクが大きいので大人しく移住を選択したほうが良いです多分。 また、初期ワールドがオールドアースのような出航能力を持ってしまっている初期ワールドであったり、持っている単発生産ワールドが異性種族玩具店のような出航能力を持ってしまっている単発生産ワールドであったりする場合は、普通に移住を選択した場合に他のプレイヤーの売却によってVPになってしまうことがあります。このような時はリスクを背負ってでも移住読み売却をした方が良いでしょう。 3.3.2 2出航探索 既に小技ですらないですが、出航プレイを計画している時に頻発するのが「手札基盤は整ったのに出航能力を持つワールドorディベロップが無い」という事態で、この時に役立つのが 「2つ以上の品物を出航出来るディベロップorワールド」探索 です。この探索には外れも多いですが、その分当たりも強力なので、探索カードが残っているならばⅠ探査で探すよりは探索した方が勝率が高まります。 このようにドロー能力は足りているのに複数の品物を出航できるカードが無い時に2出航探索をします。 運よく当たりの1つである銀河市場が手に入りました。 なんやかんや生産出航して勝ちです。 3.3.3 威信$売却 ゲーム中一回しか行えない代わりに強力な威信行動は選択肢が多く適切なタイミングを選ぶのが難しいですが、威信売却は点数パフォーマンスが良い使いどきが存在します。それは小目標の「銀河の名誉ある地位(2威信3点)」や「銀河の生活水準(5点)」が出ていて、自分を含めて威信を持っているプレイヤーが複数いる時です。 毎ターン貰える威信ボーナスVPによって達成されることが多いこの目標。例えば、自分のVPが3点・相手のVPが4点でお互い威信1つのような状況では「銀河の生活水準(5点)」を取ることは難しいように見えます。序盤は出航能力がないことが多くVPを手に入れる手段が無かったり、あったとしても$売却ではなく消費(×2)を選択してしまうと今後の手札が厳しくなってしまったりします。このような時に威信売却を行うと手札を2枚まで捨てて2点を得られるボーナスによって奇襲的に目標を取ることが出来ます。 売却+3のボーナスも得られるため手札が少なくなってキツくなることも無く、覚えておいた方が良い小技です。 立ち上がりが遅く5点のボーナスは取られてしまいましたが、帝国侵攻艦隊によって3威信を得た次のターンです。このままでは銀河安全保障理事会をコントロールしているプレイヤー(真ん中上のプレイヤー)に2威信3点の目標を取られてしまいますが、威信売却をすることで自分も目標を獲得することが出来ました。 3.3.4 非軍事ワールド侵略 帝国侵攻艦隊と(主に)星間戦争要因のコンボによって非軍事ワールドを侵略することが可能です。 あまり狙って起きることではありませんが、適切なタイミングで行えば負けゲームを勝ちに出来るテクニックです。小技というか必殺技ですね。 初期手札があまり良くないので知性化で始めます。 知性化探索によって辺りを引けたのでそのまま建ててドローします。 しかし真ん中上のプレイヤーと大きく点差をあけられてしまい、このままでは発展を連打されて負けてしまいます。 そこで星間戦争要因を建て、相手の異性種族の観光名所を侵略することで強力な出航能力を奪います。 無事侵略に成功しました。 その後は倍出航を繰り返してVPを稼ぎ 強力なギルドをドロー出来たこともありなんとか勝つことが出来ました。 4.終わりに まだまだ書き切れていない戦略や小技もありますが、既にとんでもない文量になってしまったので、ここらで一区切りとします。 で書いたようにRFTGはAIが強力なためボードゲームにしては珍しく一人で練習できるゲームですのでスマホアプリが第三拡張までリリースされたこの機会に修業してみてはいかがでしょうか。 ※本記事はこちらのブログ記事の再掲となります。
2023-12-23
レース・フォー・ザ・ギャラクシー 基本戦術と探索カードの使い方(2)
前回の記事はこちら 2.3 手札の回し方 初期ワールドを選んだあと、ゲーム序盤でどのようにすれば良いのか。これが、このゲームの難関の1つです。 初期手札は4枚しかなくカードを1、2枚建てたら無くなってしまう。カードを補充しようにもⅠの探査ではカードは2枚ずつしか増えていかず、他プレイヤーの発展や移住に対してパスが続く……このようなパターンが初心者にありがちです。 こういった「ドン詰まり」のパターンに陥ってしまうとまず勝てません。こういった事態を避けるために「手札基盤」を構築することがこのゲームの序盤で最も重要なポイントです。 ・手札基盤 では手札基盤とはなんなのか。 私が勝手にそう呼んでいるだけなのでなんなのかもへったくれもないのですが、ここでは「探査(Ⅰ)を打つよりも高効率でハンドを増やせるディベロップorワールド」(もしくはその組み合わせ)のことを指します。これをなるべく早く場に建てることで、ハンドを増やし点数を稼げるようにします。 探査(Ⅰ)は打つことで自分のハンドが+2、他のプレイヤーのハンドが+1されるので毎ターン他プレイヤーに比べて差し引き+1ハンドされます。「手札基盤」はこれよりも高効率のものが該当し、探査の「1ターンあたり+1ハンド」を超える「1ターンあたり+2ハンド」が基準となります。例えば失われた地球植民地が場にある状態で生産(Ⅴ)→売却($)と動くと2ターンかけて2ドローすることになります(ここでは一旦他プレイヤーが生産によって得るアドバンテージは無視します)。これでは探査(Ⅰ)を2ターン続けて行っていたほうが新しいカードに6枚アクセス出来る分はるかにマシです。 一方、彗星宙域が場にある状態で同様に生産(Ⅴ)→売却($)と動くと、2ターンかけて4ドローでき、「1ターンあたり+2ハンド」の基準を満たしています。そのため彗星宙域は「手札基盤」と呼べるカードであり、(1)で挙げたように「初手にあって強いカード」なのです。 ・手札基盤の構築 手札基盤の構築方法は既に述べたように彗星宙域のような効率よくドロー出来るワールドを建設すれば完了する話なのですが、残念ながらこういったワールドが都合よく毎回ハンドくるわけではありません。そのため、いくつか他の手段も覚えておいた方が良いでしょう。 1. 売却($)を強化する 銀河の廃品回収者は初期状態では基盤になりませんが、通商基地(売却値+2)を建てることで2ターンで4ドロー出来るようになり手札基盤として使うことが出来ます。 2. 発展(Ⅱ)を強化する 1番分かりやすいのがこの組み合わせで、発展をおこなうだけで毎ターン3ドロー1ディスカードとなり1ターン+2を満たせます(星間銀行でも満たせます)。銀河開発者でなくとも銀河政治の黒幕と星間銀行が初手にあった場合は発展強化による手札基盤の構築を狙っても良いでしょう。 3. 探査によって探す 探査(Ⅰ)が強化されているワールドならば探査で探すのも現実的です。しかし、いくら強化されていても見つからない時は見つからないためリスクがあります。 4. 探索によって探す ゲーム中一回だけ使える探索カードですが、初手が弱い場合は遠慮なく手札基盤のために使ったほうが良いです。 しかし、右上の「非軍事単発生産ワールド1コスト/2コスト」は、売却して4ドロー以上出来る手札基盤となりうる「当たり」が2枚しかありません。そのため非軍事初期ワールドではこの方法はあまりオススメ出来ません(失われた地球植民地などが初手が弱い場合に選ばないほうが良い理由です)。 軍事ワールドの場合は(1)のニュースパルタの項で述べたように「知性化探索」を行うことで高確率で基盤となるワールドを手に入れることが出来ます。 「知性化」マークを持っているカードの多くは2軍事緑単発生産ワールドで、当然外れもありますが(4種類)探索が一回キャンセル出来ることを考えるとおよそ87%の確率で手札基盤を手に入れることが出来ます。 これは充分期待できる確率であり初手に探索を使う価値があります。初手から2軍事のワールドを建てられるニュースパルタや知性化傭兵部隊はもちろん、1軍事しかわかない分離主義者コロニーや帝国軍司令官のような軍事初期ワールドも手札に軍事を1以上伸ばせる軽いディベロップがあればこの方法により手札基盤を得ることが出来るため狙っていった方が良いでしょう。 == (3)に続きます。 ※本記事はこちらのブログ記事の再掲となります。
2023-12-17
レース・フォー・ザ・ギャラクシー 基本戦術と探索カードの使い方(1)
皆さんはRace for the Galaxy(レース・フォー・ザ・ギャラクシー)という神ゲーをご存知でしょうか。非常に有名なゲームですので全人類の皆さんが知っているかと思いますが、ここではその基本戦術とゲームの要である探査カードの使い方について書こうと思います。 1. Race for the Galaxy というゲームについて 全人類の皆さんが知っているRace for the Galaxy (以下、RFTG)について、万が一知らない方がいるとマズいので一応簡単な説明をしますと、あなたは宇宙のとある星のリーダーとなり、その星間国家をいかに繫栄させるかを競うゲームです。手札から自分の場にカードを出すことで他の星に勢力を拡大したり新たな技術を開発することが可能で、点数を最も稼いだプレイヤーの勝ちとなります。 細かい点までインスト(ルール説明)をしていると日が暮れてしまう(リアルでRFTGのインストを拡張を含めておこなうと数十分かかってしまうのがこのゲームの数少ない欠点です)ので、詳細なルールが気になった方はググってください。 RFTGの魅力はいくつかあります。手ごろなプレイ時間に加え独自のゲーム性や自身の国家を強化していく楽しみ、などなど挙げればキリがありませんが、これに関しては他のゲームでも味わえますし人によって感じ方は違います。しかし、RFTGには他のゲームにはない、そして人によっても不変の長所が1つあります。それは アプリ版のAIがめちゃくちゃ強い ということです。「え、そんなこと?」と思われるかもしれませんが、とても重要なことです。 ボードゲームの最大の欠点は「人を集めないと出来ない」ことであり、当然そんなに頻繫には出来ません。そんなボードゲームを出来ない不満を解消してくれるのがボードゲームのアプリです。 最近は様々なボードゲームがアプリとして販売されていますが、たいていの場合「AIはとても弱い」です(最近だとThrouge the Ages のアプリのAIは中々強かったですが稀です)。つまり人とやる時に比べて手ごたえが全くなくつまらないものが多いのですが、RFTGの場合は違います。人と遜色ない、むしろ人より強いのではないかと思えるほどAIが強く、満足できるゲームプレイをPCやスマホで手軽に楽しめる、これは大きな長所と言えるでしょう。 PC版(http://keldon.net/rftg/)は無料で遊べますし、アプリ版はiOS/Androidのどちらからもリリースされています(有料ですが)。PC版とアプリ版は共通のAIが使用されているので、どちらも充実したゲームプレイを楽しめ、ルールは少し難しいですが間違いなく面白いゲームであることはリアルとアプリを合わせて10000回以上はプレイしている私が保証しますので是非遊んでみて下さい。 2. Race for the Galaxy の基本戦術 1.でRFTGのアプリの宣伝をしたらもう満足してしまったのですが、基本戦術の記事だったことを思い出したので書こうと思います。(※やっぱりルール説明はしません。基本的に既プレイの方を想定して書いています。) RFTGは基本セットに同時に追加できる3つの拡張とそれぞれ別枠で遊ぶ拡張が2つ出ていまが、ここでは基本セットに「嵐の予兆」「帝国対反乱軍」「戦争の影」の3つの拡張を追加したゲームを想定して書きます。 ※RFTGは「基本セットが最高派」「第一拡張(嵐の予兆)までが最高派」など色々な派閥がいますが私は「第三拡張まで入れたRFTGが最高」派です。理由は色々ありますが、「探索カードの存在によって初手依存度が低い」「1位を目指せるゲームプランが多い」「追加されたカードの効果が強くゲームが派手」などなど纏めると「1番実力が勝率に反映される(と思う)」セットだからです。 RFTGは手札の回し方も点数の稼ぎ方も分かりづらく、どちらも理解するには時間がかかってしまうことが多いです。ここでは「初手・初期ワールドの決め方」「手札の回し方」「点数の稼ぎ方」についてそれぞれわけて説明します。 2.1 初手・初期ワールドの決め方 このゲームで1番難しいうえに、ゲームを決めるといっても過言ではないほど大きな要素である初期ワールドの決め方ですが、非常に複雑です。目標と初手との兼ね合いで大きく変わります。それぞれのワールドごとにどのような時に選べばよいかを書きますが、その前に初手を決める際に大事な「早いゲーム/遅いゲームになりそうな目標」と「初手にあって強いカード」について書きます。 ・早いゲームになりそうな目標(建てきりが多数) 基本的に「出航プレイ」を行うプレイヤーが少なく「建てきり」を選択するプレイヤーが多くなりそうな目標のことです。 出航プレイ:生産と2倍消費によって品物をVPに変えることで勝ちを目指すプレイ 建てきり:12個のワールドやディベロップを場に出すことで、基本点や6コストディベロップ(ギルド)の点数によって勝ちを目指すプレイ これらが出ている盤面では比較的ゲームが早く終わることが予想されます。当然、必ずそのようなゲーム展開になるとは限りませんが、初期ワールドを決める目安としては充分な情報になります。 これらが出ている盤面を「早い盤面」と呼称することにします。 ・遅いゲームになりそうな目標(出航プレイが多数) 逆に「出航プレイ」を選択するプレイヤーが多くなりそうな目標になります。これらが出ている盤面を「遅い盤面」と呼称することにします。 ・初手にあって強いカード 「初手にあったときに」強いカードです。後述する手札基盤となりうるものが多いです。そのため、ゲーム全体で見ても強いカードもありますが基本的に得点源になるようなカードは含まれていません。後述する「初手が強い」「初手が弱い」はこれらのカードが1枚でも含まれていれば「強い」、1枚も含まれていないければ「弱い」として考えてください。 ※軍事ワールドは軍事初期ワールドを選択した場合強いカードです 2.2 初期ワールド個別評価 ・オールドアース この初期ワールドは遅い盤面で選びます。しかし、初手に強いワールドがある場合は問題ありませんが、初手が弱いときに自身のみでは品物を生み出せないため手札を回せなくなってしまう場合があります。配られたもう一枚の軍事初期ワールドが初手と噛み合っているならば盤面の目標と噛み合っていなくてもそちらを選んだほうが勝てる可能性が高いので、軍事初期ワールドを選びましょう。 ・イプシロン・エリダニ星系 この初期ワールドは、「なるべく選ばないほうが良い」ワールドです。軍事力が重要な基準値である2に達しておらず、また消費能力を持って「しまって」いることにより序盤の手札リソースの確保が特に難しいためです。このワールドを選んだ場合は「発展の指導者(最速8建設)」や「最大産業国家(青茶3+)」などの目標を取りながらとにかく早く建て切ることを目指しますが、他プレイヤーの動きを的確に読む必要がありますし、対戦相手のパワーカード1枚で負けるような綱渡りのプレイになるので、このゲームに慣れてきてから使うことをオススメします。 ・アルファ・ケンタウリ星系 この初期ワールドは基本的に遅い盤面で選びますが、早い盤面でも早いゲームについていけるだけのポテンシャルがあるので初手が噛み合っていれば選んで構いません。また、少し心もとないものの手札を回転させるだけの基盤を自身が担えるので初手が弱い場合も選ぶべきワールドです。噛み合うカードとしては以下のようなものがあります。 ・ニュースパルタ この初期ワールドは早い盤面で選びます。詳しくは後述しますが探索の「知性化探索」を選択することで、高確率で手札基盤を構築出来るので初手が弱い場合も選ぶべきワールドとなります。 ・失われた地球植民地 この初期ワールドは遅い盤面で選びます。このカードだけでは手札基盤になりづらいので手札が弱い場合は選ばないほうが良いです。以下のカードを初手に持っている場合は、盤面如何に関わらず選んだ方が良いです。 ・分離主義者コロニー この初期ワールドは早い盤面で選びます。ただし、軍事力を上げられる3コスト以下のディベロップが初手になく、かつ非軍事の強いワールドが初手にある場合は相方の非軍事初期ワールドで始めたほうが良い場合があります。また、1番の探査能力によって強いカードを探しに行けるため、初手が弱い場合も選択するべきワールドです。 ・古代種族 この初期ワールドは遅い盤面で選びます。初手の依存度が低く、自身も手札基盤になれるうえに、初ターンが弱い以外は採れるゲームプランも豊富という特徴があります。そのため、もう1枚の軍事初期ワールドがニュースパルタと知性化傭兵部隊以外で、かつ初手が弱い場合は早い盤面でも選びます。 初手に以下のカードがあれば相方がニュースパルタと知性化傭兵部隊でない場合は選択します。相方がそれらだった場合は目標とより噛み合うほうを選択します。 ・損傷異性種族工場 この初期ワールドは遅い盤面で選びます。立ち上がりが非常に遅いため、他の遅い盤面向けの初期ワールドの中でも特に盤面のスピードが勝率に直結するワールドです。自身が手札基盤になれるため初手が弱いときも選ぶべきワールドですが、目標に最大軍事国家(軍事力6+)や軍事的影響力(軍事ワールド4つ/帝国3つ)などが出ていて、明らかに「軍事プレイ」をするプレイヤーが居そうな盤面では、侵略によって自分の場からこのワールドが消えることも珍しくありません、そのため、相方がオールドアースや地球植民地などの初手が弱い時に動けない非軍事初期ワールドでかつ初手が弱いなどでない限りは選択するのは避けたほうが良いでしょう。 軍事プレイ︰軍事力を上げて軍事ワールドをコストを支払わずに建てていくプレイ。「建てきり」の最もメジャーなパターン。 ・滅びゆく世界 この初期ワールドは初手に強く依存するカードで、盤面に関わらず以下のカードが初手にあるならば選択します。また、初手にあって強いとされている3コストのワールド(知性化遺伝子ブリーダーなど)がある場合も、このワールドを選択し効果を使用してそれらのワールドを建てるプレイングが有効です。初手にそれらのカードがない場合は、相方の軍事初期ワールドが盤面にあっているならば相方を、そうでないならば滅びゆく世界を選びます(その場合、1ターン目は探査から入ることが多いです)。 ・反乱軍酒場 この初期ワールドは早い盤面にも遅い盤面にも適性があります。初手が弱くとも「知性化探索」によって基盤を作ることが可能です。しかし、爆発力に欠ける面があるため、相方が盤面にあっていたり初手と噛み合っていたりした場合はそちらを選びましょう。また、以下のカードとシナジーがあるので、初手にある場合は初期ワールドとして選ぶ優先度が高まります。 ・銀河開発者 この初期ワールドは基本的には遅い盤面で選ぶべきワールドですが、初手依存度が高く、初手が弱い場合はあまり選ぶべきではありません。また、最大開発国家(ディベロップ4+)が存在する盤面では自身が建てきりを狙って動くこともあります。 以下のカードが初手にあるとき、特に銀河政治の黒幕が存在する場合は盤面如何に関わらずこのカードを選択します。 ・帝国軍司令官 この初期ワールドは早い盤面で選びます。ただ、初手に軍事力が上がる3コスト以下のディベロップカードが無い場合は手札基盤づくりに失敗してしまうリスクがあるので相方がさほど弱くないならばそちらを選んだほうが良いでしょう。このワールドは名前に「帝国」が入っているデメリットが大きく、序盤に出て来る「反乱軍奇襲」や得点リソースとして優秀な「反乱軍同盟」などから侵略を受けてしまいます。そのため、軍事ワールドにも関わらず損傷異性種族工場で挙げたような「軍事プレイをしそうな人が多い盤面」では逆に選びづらいというジレンマを抱えてしまっています。当然リスクを承知で選ばなければならない事も多いですが、このワールドを選択した場合は常に侵略を受ける可能性を念頭においてプレイしましょう。 ・銀河の廃品回収者 この初期ワールドは遅い盤面で選びます。立ち上がりは遅めですが効果が非常に強力なため、出航プレイが許されるゲームスピードならば1位を狙いやすいと言えます。そのため、初手依存度は比較的高めですが遅い盤面なら選んだほうが良いでしょう。 初手に以下のカードがあれば盤面如何に関わらず選びます。 ・知性化傭兵部隊 この初期ワールドは早い盤面で選びます。ニュースパルタと同じく「知性化探索」によって安定して手札基盤を作ることが出来るので初手依存度は低いです。軍事力がディベロップに頼らず3までは安定して伸びるので、軍事プレイが非常にしやすく盤面が比較的遅めでも戦えるポテンシャルがあります。 また、強烈にシナジーする以下の2つのカードのどちらかでも初手にあった場合は相方や盤面を一切無視してこのカードを選びます。 ・異性種族調査隊 この初期ワールドは遅い盤面で選びます。探査能力の強化があるので初手が弱い場合も選びますが、一部のカードとシナジーするタイプのワールドなのでプレイングが難しいです。そのため、以下に挙げるようなカードが無く相方の軍事で戦えそうならばそちらを選択したほうが良いでしょう。相方の軍事も弱かった場合(イプシロン・エリダニ星系)はこちらを選びます。 以下のカードが初手にある場合は、選択する価値が高まります。 ・反乱軍自由闘士 このワールドは早い盤面で選びます。非常に初手依存度が高いワールドで反乱軍ネームの軽いカードを複数枚持っている場合は盤面に関わらず選びます。しかし、早い盤面でも軍事力が伸びづらく軍事プレイをしづらいことが多いため、初手が非軍事ワールド寄りならばそちらを選びましょう。 == (2)に続きます。 ※本記事はこちらのブログ記事の再掲となります。
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