テラフォーミング・マーズ攻略2 ゲームプラン編その1 「コントロール」

2023/10/22

三橋

terraformingmars_guide_1_thumbnail
前回の記事はこちら
テラフォーミング・マーズ攻略1 基礎編 「拡大再生産」と「ドラフト」

テラフォーミング・マーズ攻略記事第2回。

ようやっと今回から強いカード紹介!

だけどその前に少し戦略の話を。

今回は、テラフォーミング・マーズにおいて強力かつわかりやすいゲームプランを紹介していく。

そのゲームプランを、僕らは「コントロール」と読んでいる。

どういう戦略なのか、順番に見ていこう。

なお、この攻略記事シリーズは3人戦の想定で話していく。

このゲーム、毎回長さ違うよねー、という話

8ラウンドで終わったり、あるいは13ラウンドで終わったりするのがテラフォーミング・マーズというゲーム。

当然、8ラウンドのゲームと13ラウンドのゲームでは強いカードや上手い立ち回りも変わってくる。これがこのゲームの面白いところ。

そしてもっと面白いのは、そのゲームの長さを決めるのが僕たちプレイヤーの選択だということ。

みんなで全力で火星を開拓すればすぐ終わるし、逆にみんなカードばかりプレイしていたらいつまで経ってもゲームは終わらない。

もっと言えば、ゲームを長くした方が都合がいいなら火星を放置し、そうでないなら火星を全力で開拓する。

僕らは、この前者を「コントロール」、後者を「アグロ」と呼んでいる。

この「コントロール」と「アグロ」の概念は、最古のTCG「マジック:ザ・ギャザリング」から拝借したもの。ここでは、次のような戦略のことを指す。

コントロール:ゲームを引き延ばし、大量の収入でゲームを支配(コントロール)する
アグロ:ゲームを早急に終わらせることで、コントロールされる前に勝つ

早期決着すればアグロが勝って、長引くとコントロールが勝つ。

そういう単純な構図。

それぞれの戦略の方向性がわかったところで、まずはコントロールからみていこう。

強力な戦略「コントロール」

コントロールはゲームを長引かせることで勝ちを目指す。10~12ラウンドでの終了が目安。これ以上早く終わってしまうと勝てない場合が多い。

どのようにゲームを引き延ばすか?

答えは簡単。火星を開拓しない。ただそれだけ。

どういう時コントロールに行く?

コントロールプランを目指すのはいつか。

結論から言うと、いつでも目指す。

というのも、アグロに行くハードルが非常に高いので、何もなければ基本コントロールになる。

どういう手札がコントロール向きか、という話をすると、収入が伸びそうならそれはコントロール向き。他にもコスト軽減カードがあったりすると、よりコントロールのモチベーションが高まる。

プレイ方針

1. 序盤はとにかく拡大

拡大幅の大きいカードから優先してプレイ。ここでロクに拡大できないならコントロール向いてないのでやめるべき。

2. VP付きカードを積極的に確保&プレイ

点数源を確保しないと、いくら収入があっても勝てない。ドラフトでは気持ち多めにキープ。最終ラウンドに吐き出す。

3. ゲーム最終盤まで火星開拓にはノータッチ

開拓したらそれはコントロールじゃない。火星開拓をしてしまうカードもプレイしない。

これがコントロールプランの3大原則となる。

なぜか知らないが、このゲームは火星を開拓しないでカードだけプレイしていれば勝てるようにできている。ゲームタイトルは詐欺である。

ドラフトの指針

ドラフトで考えることは6つ。多い。多いけど、コントロールプレイで最も重要なのはカードの扱いなので、仕方がない。

指針1:まずはなにより、収入源と得点源

コントロールプレイの基本。序盤は収入源を、中盤以降は点数源を優先して確保したい。

ただし、鉄収入を上げ過ぎると、たまに余るので注意。

点数源について、最も優先するのは《ガニメデ・コロニー》のような木星ギルド。コントロールはカードをたくさん出すので、雑に点数を得ることができる。

20231022 terraformingmars guide 01
木星タグの数だけ点数が伸びる通称「木星ギルド」

一方で、《魚類》のような点数クロック系カードは、見た目ほど強くはないので、そこまで気にしなくてもOK。

20231022 terraformingmars guide 02
条件が厳しいので見た目ほど強くはない
指針2:コスト軽減カードを優先

収入カード同様、コスト軽減カードも拡大カードとしてピックしたい。それらのカードには大体VPが書いてあるので、多くのカードをプレイすることで実質的にタダ以上で、そのVPを手に入れることができる。

例えば《前哨研究基地》は、購入含めて21金でプレイし、その後21枚のカードをプレイすれば元が取れて、それ以降にカードをプレイする度1金増えることになる。なんなら都市も貰えてる。ゲーム展開にもよるが、少なくとも40枚程度のカードをプレイするので、そこらの収入獲得カードより高いコスパを発揮するだろう。

20231022 terraformingmars guide 03
なぜか18金で、なぜか都市も貰える。1ラウンド目に使うとすごい

他にも《宇宙ステーション》のようなチタン軽減カードも噛み合っている。高コストの得点源カードの多くはチタンを支払いに充てられるので、十分元は取れるだろう。

20231022 terraformingmars guide 04
7回誘発すれば元が取れて、1VPついてるので結構お得カード
指針3:集めると強いタグを気持ち優先

多くのカードをプレイする都合上、タグを参照するカードを強く使える機会に巡り合いやすい。《AIセントラル》、《反動力技術》、《高度な生態系》など、条件は重い代わりに破格の性能を有するカードは、使うと周囲がざわつく。

20231022 terraformingmars guide 05
毎ラウンド2ドロー。こいつめっちゃドローするやん。
20231022 terraformingmars guide 06
効果が強力なのに3VPもついてる。どー見ても強い。
20231022 terraformingmars guide 07
11コストで3金は相当なスペック

集める価値のあるタグは以下の通り。上の方が優先。

  • 科学タグ

  • 木星タグ

  • 地球タグ

  • 動物、植物、微生物タグ

指針4:ドローソースの確保

最低でも一枚、継続的ドローソースを確保したい。ドローソース無しだとハンドリソースが足りない。《立ち入り制限区》などがこれに該当。

20231022 terraformingmars guide 08
オーソドックスなドロソ。タイルを置けるので見た目よりコストは軽め。科学タグも大分偉い。

《オリンポス会議》は変則的だが、割と引けるので優先して購入したい。

20231022 terraformingmars guide 09
《オリンポス会議》は変則的だが、割と引けるので優先して購入したい。
指針5:火星開拓カードは取って購入せず捨てる

ドラフトの際、次のプレイヤーがアグロなら場合、ゲームの終了を大幅に早めるカードは自分で取ってそのまま捨て札にする。《巨大氷水惑星》のようなカードをアグロに使われてしまうと、ゲーム終了が1ラウンド早まる可能性があるからだ。

木星ギルドや《AIセントラル》と同じパックにあったりしたら、仕方が無いので、どっちかを諦める。どちらを諦めるかは状況次第。

20231022 terraformingmars guide 10
標準プロジェクト換算で64金相当のアクションを、36金で行えるバカカード

同様の理由でカット対象となるのが序盤の《設計された微細生命体》などの植物産出カードだ。緑化がアグロ側の大きな点数源となるので、カットできるならカットしたいところ。ただし、ゲーム終了トリガーは大体気温なので、植物産出カードのカットは優先度低め。特に欲しいカードが無い時にカットするくらい。

20231022 terraformingmars guide 11
16金で2植物産出は結構偉い
指針6:動物タグが乗るカードを最低1枚確保

キーとなるのは《大輸送船団》。このカード、テキトーに打っても1TR、2VP、2ドロー、5植物と、そこそこの性能はある。

ここに《家畜》のように、動物タグ1個につき1VPになるカードが加わるとどうなるか。

36金で1TR、6VP、2ドローとかいうバカカードになる。やりすぎ。

他にも、動物を脱法配置できるカードが数枚ある。いつか彼らに巡り合う可能性を考慮して、《家畜》のように、動物タグを1VPに変換できるカードを1枚は手札に持っておきたい。

20231022 terraformingmars guide 12
《巨大氷小惑星》と同コストで、こっちはコントロール向きのカード。海が枯れていても強い。
20231022 terraformingmars guide 13
1植物産出のコストがめちゃくちゃ重いから、普段はそこまで強いカードではない。13金は高いしね。

そのほか注目すべきカード

単体でスペックが高かったり、変な挙動をするカードたち。見かけたら注意。

《温室》
20231022 terraformingmars guide 14

ゲーム終盤、1枚で8~13程度の植物を沸かしてくれる。6コストと軽く、ほぼ確実に2点以上沸かす破格のカード。

《ビジネス・ネットワーク》
20231022 terraformingmars guide 15

ドローソースではあるが、序盤にプレイすると金が足りなくなる。ある程度金収入を確保できてからプレイ。

《富窒素小惑星》
20231022 terraformingmars guide 16

リーフタグ3条件下でプレイすることで大きなリターンを得られる。リーフ収入4に加え、3TRと、そのパワーは全体で見ても随一。条件を満たすまで手札で抱えておくと良い。

《税関ステーション》《人工衛星》
20231022 terraformingmars guide 17
20231022 terraformingmars guide 18

この2枚は単純にコスパが異常。コントロールならマストピックと言っても過言ではない。

特に基本マップでは注意が必要。バンカー(お金収入のアワード)が突然ひっくり返るので、バンカーに置く際は圧倒的リードが無いと安心はできない。

手札が無くなるラウンドにゲームが終わるのがベスト

収入が増えれば1ラウンドあたりにプレイできるカードの枚数は増えるので、必然、手札は減っていくもの。手札が無いと折角のリソースをVPに変換できずに、より多くの手札を持つプレイヤーに負けてしまう。当然、手札が多いプレイヤーの方が、手札から出せるVPは多い。

なので、することが減ってくる前に終了トリガーを踏めるように動く。このタイミングになって初めて火星を積極的に開拓する。大丈夫、その時点でアグロに負けることはまずない。あり得ないと言ってもいい。

「これ勝ってるな」と思ったらゲームを畳む

9ラウンド目くらいに明らかに他より多くのVPを持っていれば、それ以上ゲームを続ける意味もないので、火星の開拓に着手する。アグロがその段階から逆転することはない。

ちなみにこれは、逆転の目を潰す以外にも時間の節約という目的もある。

周りも「もう勝てるビジョン見えないし、さっさと終わらせてくれ…」と思ってるかもしれない。

勝利を確信したらすみやかにゲームを終わらせてあげよう。

マイルストーンは必須ではない

8金5VPと破格なマイルストーン。

普段は必須だけど、コントロールに限っては必須ではない。

というのも、11ラウンド以上のゲームだと、5VPはたいして大きな点数ではないからだ。

どういうことか。

重要なのは点数感覚。8ラウンドで終わるゲームなら55VPで勝つくらいの点数感なので、5VPはめちゃくちゃでかい。

一方で、13ラウンドで終わるゲームなら100VPを超えるくらいなので、マイルストーンの5VPは、8ラウンドのゲームより重要度は低い。

ただもちろん、確保できるなら確保したい。

どのくらいプレイを歪めるか次第。

逃げの戦略「ハンドコントロール」

さて、ここまでこのゲームの王道戦略ともいえるコントロールについて説明してきた。

なんだけど実はコントロールにはもう1種類あって、それが「ハンドコントロール」だ。

標準的コントロールより、手札を大切にすることからこのように呼んでいる。

ただ、こっちのハンドコントロールはあまりおすすめとは言えない。標準的コントロールに比べると柔軟性に欠け、シビアな勝ち筋を要求されるから。

ハンドコントロールは「思うように収入を伸ばせなかった時の逃げ道」くらいの認識でいるといい。

プレイ方針

1. 他のコントロールに収入で負けたらハンドコントロールへ

ゲーム序盤に、他のコントロールに比べて収入が伸びなかった時に、ハンドコントロールへ移行。真っ向勝負では勝てないので。

2. 収入よりVP持ちカードを優先ピック

収入カードよりVP付きカードをひたすら優先。

3. 絶対に火星を開拓しない

収入を軽視するので、万年金欠。ラウンドを増やして金を工面。

足りない収入を、より多いラウンドをプレイすることで補うのがハンドコントロールのコンセプト。

この方針を取ることで、コントロールに有利に立てる要素はこんな感じ。

  • 手札を出し切った時の合計VPが高い

  • 標準コントロールの手札が枯れた後も手札からカードを出せる

  • 標準コントロールの得点源をドラフト段階でカットできる

ゲームを長引かせ収入回数を増やすことで、点数出力のボトルネックを金から手札枚数にシフトさせる。つまり「金はあるけどカードがない!」状況に陥らせることで標準コントロールを蹴散らす。

特に重要なのは3で、なにがなんでも火星は開拓しない。戦略上収入は軽視せざるをえないので、こういう極端なプレイングが求められる。

逆に、このプレイの弱点は「標準コントロールがちゃんとゲームを終わらせに来るとお金が足りずに負ける」こと。

他2人が拮抗していて、火星を開拓した方が負けそうな状況で、その穴を突いて勝つ。それがハンドコントロールの勝ち筋。

結構難しい。結構難しいが、このプレイを知っているかどうかで、勝率は結構変わるので押さえておきたい。

まとめ&次回予告(アグロは次回)

  • コントロールは、ゲームを10ラウンド以上に引き延ばして、VP付きカードをたくさん出して勝つ

  • ドラフトでは、収入源、VP、科学タグや木星タグを優先

  • ドローソースを確保

  • ハンドコントロールは、収入が伸びなかった時の逃げ道

長くなったので、次回、アグロ戦略編。

それではまた次回。