レース・フォー・ザ・ギャラクシー 基本戦術と探索カードの使い方(1)

2023/12/17

中西

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皆さんはRace for the Galaxy(レース・フォー・ザ・ギャラクシー)という神ゲーをご存知でしょうか。非常に有名なゲームですので全人類の皆さんが知っているかと思いますが、ここではその基本戦術とゲームの要である探査カードの使い方について書こうと思います。

1. Race for the Galaxy というゲームについて

全人類の皆さんが知っているRace for the Galaxy (以下、RFTG)について、万が一知らない方がいるとマズいので一応簡単な説明をしますと、あなたは宇宙のとある星のリーダーとなり、その星間国家をいかに繫栄させるかを競うゲームです。手札から自分の場にカードを出すことで他の星に勢力を拡大したり新たな技術を開発することが可能で、点数を最も稼いだプレイヤーの勝ちとなります。

細かい点までインスト(ルール説明)をしていると日が暮れてしまう(リアルでRFTGのインストを拡張を含めておこなうと数十分かかってしまうのがこのゲームの数少ない欠点です)ので、詳細なルールが気になった方はググってください。

RFTGの魅力はいくつかあります。手ごろなプレイ時間に加え独自のゲーム性や自身の国家を強化していく楽しみ、などなど挙げればキリがありませんが、これに関しては他のゲームでも味わえますし人によって感じ方は違います。しかし、RFTGには他のゲームにはない、そして人によっても不変の長所が1つあります。それは

アプリ版のAIがめちゃくちゃ強い
ということです。「え、そんなこと?」と思われるかもしれませんが、とても重要なことです。

ボードゲームの最大の欠点は「人を集めないと出来ない」ことであり、当然そんなに頻繫には出来ません。そんなボードゲームを出来ない不満を解消してくれるのがボードゲームのアプリです。

最近は様々なボードゲームがアプリとして販売されていますが、たいていの場合「AIはとても弱い」です(最近だとThrouge the Ages のアプリのAIは中々強かったですが稀です)。つまり人とやる時に比べて手ごたえが全くなくつまらないものが多いのですが、RFTGの場合は違います。人と遜色ない、むしろ人より強いのではないかと思えるほどAIが強く、満足できるゲームプレイをPCやスマホで手軽に楽しめる、これは大きな長所と言えるでしょう。

PC版(http://keldon.net/rftg/)は無料で遊べますし、アプリ版はiOS/Androidのどちらからもリリースされています(有料ですが)。PC版とアプリ版は共通のAIが使用されているので、どちらも充実したゲームプレイを楽しめ、ルールは少し難しいですが間違いなく面白いゲームであることはリアルとアプリを合わせて10000回以上はプレイしている私が保証しますので是非遊んでみて下さい。

2. Race for the Galaxy の基本戦術

1.でRFTGのアプリの宣伝をしたらもう満足してしまったのですが、基本戦術の記事だったことを思い出したので書こうと思います。(※やっぱりルール説明はしません。基本的に既プレイの方を想定して書いています。)

RFTGは基本セットに同時に追加できる3つの拡張とそれぞれ別枠で遊ぶ拡張が2つ出ていまが、ここでは基本セットに「嵐の予兆」「帝国対反乱軍」「戦争の影」の3つの拡張を追加したゲームを想定して書きます。

※RFTGは「基本セットが最高派」「第一拡張(嵐の予兆)までが最高派」など色々な派閥がいますが私は「第三拡張まで入れたRFTGが最高」派です。理由は色々ありますが、「探索カードの存在によって初手依存度が低い」「1位を目指せるゲームプランが多い」「追加されたカードの効果が強くゲームが派手」などなど纏めると「1番実力が勝率に反映される(と思う)」セットだからです。

RFTGは手札の回し方も点数の稼ぎ方も分かりづらく、どちらも理解するには時間がかかってしまうことが多いです。ここでは「初手・初期ワールドの決め方」「手札の回し方」「点数の稼ぎ方」についてそれぞれわけて説明します。

2.1 初手・初期ワールドの決め方

このゲームで1番難しいうえに、ゲームを決めるといっても過言ではないほど大きな要素である初期ワールドの決め方ですが、非常に複雑です。目標と初手との兼ね合いで大きく変わります。それぞれのワールドごとにどのような時に選べばよいかを書きますが、その前に初手を決める際に大事な「早いゲーム/遅いゲームになりそうな目標」と「初手にあって強いカード」について書きます。

・早いゲームになりそうな目標(建てきりが多数)

基本的に「出航プレイ」を行うプレイヤーが少なく「建てきり」を選択するプレイヤーが多くなりそうな目標のことです。

出航プレイ:生産と2倍消費によって品物をVPに変えることで勝ちを目指すプレイ
建てきり:12個のワールドやディベロップを場に出すことで、基本点や6コストディベロップ(ギルド)の点数によって勝ちを目指すプレイ

これらが出ている盤面では比較的ゲームが早く終わることが予想されます。当然、必ずそのようなゲーム展開になるとは限りませんが、初期ワールドを決める目安としては充分な情報になります。

これらが出ている盤面を「早い盤面」と呼称することにします。

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・遅いゲームになりそうな目標(出航プレイが多数)

逆に「出航プレイ」を選択するプレイヤーが多くなりそうな目標になります。これらが出ている盤面を「遅い盤面」と呼称することにします。

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・初手にあって強いカード

「初手にあったときに」強いカードです。後述する手札基盤となりうるものが多いです。そのため、ゲーム全体で見ても強いカードもありますが基本的に得点源になるようなカードは含まれていません。後述する「初手が強い」「初手が弱い」はこれらのカードが1枚でも含まれていれば「強い」、1枚も含まれていないければ「弱い」として考えてください。

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初手にあって強いワールド

※軍事ワールドは軍事初期ワールドを選択した場合強いカードです

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初手にあって強いディベロップ

2.2 初期ワールド個別評価

・オールドアース
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この初期ワールドは遅い盤面で選びます。しかし、初手に強いワールドがある場合は問題ありませんが、初手が弱いときに自身のみでは品物を生み出せないため手札を回せなくなってしまう場合があります。配られたもう一枚の軍事初期ワールドが初手と噛み合っているならば盤面の目標と噛み合っていなくてもそちらを選んだほうが勝てる可能性が高いので、軍事初期ワールドを選びましょう。

・イプシロン・エリダニ星系
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この初期ワールドは、「なるべく選ばないほうが良い」ワールドです。軍事力が重要な基準値である2に達しておらず、また消費能力を持って「しまって」いることにより序盤の手札リソースの確保が特に難しいためです。このワールドを選んだ場合は「発展の指導者(最速8建設)」や「最大産業国家(青茶3+)」などの目標を取りながらとにかく早く建て切ることを目指しますが、他プレイヤーの動きを的確に読む必要がありますし、対戦相手のパワーカード1枚で負けるような綱渡りのプレイになるので、このゲームに慣れてきてから使うことをオススメします。

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・アルファ・ケンタウリ星系
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この初期ワールドは基本的に遅い盤面で選びますが、早い盤面でも早いゲームについていけるだけのポテンシャルがあるので初手が噛み合っていれば選んで構いません。また、少し心もとないものの手札を回転させるだけの基盤を自身が担えるので初手が弱い場合も選ぶべきワールドです。噛み合うカードとしては以下のようなものがあります。

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・ニュースパルタ
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この初期ワールドは早い盤面で選びます。詳しくは後述しますが探索の「知性化探索」を選択することで、高確率で手札基盤を構築出来るので初手が弱い場合も選ぶべきワールドとなります。

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・失われた地球植民地
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この初期ワールドは遅い盤面で選びます。このカードだけでは手札基盤になりづらいので手札が弱い場合は選ばないほうが良いです。以下のカードを初手に持っている場合は、盤面如何に関わらず選んだ方が良いです。

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・分離主義者コロニー
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この初期ワールドは早い盤面で選びます。ただし、軍事力を上げられる3コスト以下のディベロップが初手になく、かつ非軍事の強いワールドが初手にある場合は相方の非軍事初期ワールドで始めたほうが良い場合があります。また、1番の探査能力によって強いカードを探しに行けるため、初手が弱い場合も選択するべきワールドです。

・古代種族
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この初期ワールドは遅い盤面で選びます。初手の依存度が低く、自身も手札基盤になれるうえに、初ターンが弱い以外は採れるゲームプランも豊富という特徴があります。そのため、もう1枚の軍事初期ワールドがニュースパルタと知性化傭兵部隊以外で、かつ初手が弱い場合は早い盤面でも選びます。

初手に以下のカードがあれば相方がニュースパルタと知性化傭兵部隊でない場合は選択します。相方がそれらだった場合は目標とより噛み合うほうを選択します。

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・損傷異性種族工場
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この初期ワールドは遅い盤面で選びます。立ち上がりが非常に遅いため、他の遅い盤面向けの初期ワールドの中でも特に盤面のスピードが勝率に直結するワールドです。自身が手札基盤になれるため初手が弱いときも選ぶべきワールドですが、目標に最大軍事国家(軍事力6+)や軍事的影響力(軍事ワールド4つ/帝国3つ)などが出ていて、明らかに「軍事プレイ」をするプレイヤーが居そうな盤面では、侵略によって自分の場からこのワールドが消えることも珍しくありません、そのため、相方がオールドアースや地球植民地などの初手が弱い時に動けない非軍事初期ワールドでかつ初手が弱いなどでない限りは選択するのは避けたほうが良いでしょう。

軍事プレイ︰軍事力を上げて軍事ワールドをコストを支払わずに建てていくプレイ。「建てきり」の最もメジャーなパターン。
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・滅びゆく世界
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この初期ワールドは初手に強く依存するカードで、盤面に関わらず以下のカードが初手にあるならば選択します。また、初手にあって強いとされている3コストのワールド(知性化遺伝子ブリーダーなど)がある場合も、このワールドを選択し効果を使用してそれらのワールドを建てるプレイングが有効です。初手にそれらのカードがない場合は、相方の軍事初期ワールドが盤面にあっているならば相方を、そうでないならば滅びゆく世界を選びます(その場合、1ターン目は探査から入ることが多いです)。

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・反乱軍酒場
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この初期ワールドは早い盤面にも遅い盤面にも適性があります。初手が弱くとも「知性化探索」によって基盤を作ることが可能です。しかし、爆発力に欠ける面があるため、相方が盤面にあっていたり初手と噛み合っていたりした場合はそちらを選びましょう。また、以下のカードとシナジーがあるので、初手にある場合は初期ワールドとして選ぶ優先度が高まります。

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・銀河開発者
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この初期ワールドは基本的には遅い盤面で選ぶべきワールドですが、初手依存度が高く、初手が弱い場合はあまり選ぶべきではありません。また、最大開発国家(ディベロップ4+)が存在する盤面では自身が建てきりを狙って動くこともあります。

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以下のカードが初手にあるとき、特に銀河政治の黒幕が存在する場合は盤面如何に関わらずこのカードを選択します。

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・帝国軍司令官
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この初期ワールドは早い盤面で選びます。ただ、初手に軍事力が上がる3コスト以下のディベロップカードが無い場合は手札基盤づくりに失敗してしまうリスクがあるので相方がさほど弱くないならばそちらを選んだほうが良いでしょう。このワールドは名前に「帝国」が入っているデメリットが大きく、序盤に出て来る「反乱軍奇襲」や得点リソースとして優秀な「反乱軍同盟」などから侵略を受けてしまいます。そのため、軍事ワールドにも関わらず損傷異性種族工場で挙げたような「軍事プレイをしそうな人が多い盤面」では逆に選びづらいというジレンマを抱えてしまっています。当然リスクを承知で選ばなければならない事も多いですが、このワールドを選択した場合は常に侵略を受ける可能性を念頭においてプレイしましょう。

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・銀河の廃品回収者

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この初期ワールドは遅い盤面で選びます。立ち上がりは遅めですが効果が非常に強力なため、出航プレイが許されるゲームスピードならば1位を狙いやすいと言えます。そのため、初手依存度は比較的高めですが遅い盤面なら選んだほうが良いでしょう。

初手に以下のカードがあれば盤面如何に関わらず選びます。

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・知性化傭兵部隊
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この初期ワールドは早い盤面で選びます。ニュースパルタと同じく「知性化探索」によって安定して手札基盤を作ることが出来るので初手依存度は低いです。軍事力がディベロップに頼らず3までは安定して伸びるので、軍事プレイが非常にしやすく盤面が比較的遅めでも戦えるポテンシャルがあります。

また、強烈にシナジーする以下の2つのカードのどちらかでも初手にあった場合は相方や盤面を一切無視してこのカードを選びます。

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・異性種族調査隊
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この初期ワールドは遅い盤面で選びます。探査能力の強化があるので初手が弱い場合も選びますが、一部のカードとシナジーするタイプのワールドなのでプレイングが難しいです。そのため、以下に挙げるようなカードが無く相方の軍事で戦えそうならばそちらを選択したほうが良いでしょう。相方の軍事も弱かった場合(イプシロン・エリダニ星系)はこちらを選びます。

以下のカードが初手にある場合は、選択する価値が高まります。

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・反乱軍自由闘士
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このワールドは早い盤面で選びます。非常に初手依存度が高いワールドで反乱軍ネームの軽いカードを複数枚持っている場合は盤面に関わらず選びます。しかし、早い盤面でも軍事力が伸びづらく軍事プレイをしづらいことが多いため、初手が非軍事ワールド寄りならばそちらを選びましょう。

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(2)に続きます。

※本記事はこちらのブログ記事の再掲となります。

http://keiohq.blog.fc2.com/blog-entry-33.html