「チャレンジャーズ!」はボドゲ界に舞い降りた最高のオートバトラー系ゲームだ!

2023/10/15

神谷

challengers thumbnail

ゲーム名

チャレンジャーズ!

人数

1〜8人

プレイ時間

45分

発売年

2023年

定価

5,500円

Amazonリンク

https://amzn.to/3ryQmuZ

HQGamesはみな大のボードゲーム好きだが、デジタルゲームもそれなりに遊んでいる。

特に、MTGアリーナやハースストーンのようなDTCG(デジタルトレーディングカードゲーム)は人気のジャンルのひとつだ。

その中でもひときわ、僕たちを魅了し続けてきたゲームがある。

ハースストーン:バトルグラウンド
challengers 01

バトルグラウンドはハースストーンのゲームモードのひとつで、8人のプレイヤーがパーティ構築フェイズと自動の戦闘フェイズを繰り返し、最後の一人を目指すゲームだ。

Auto Battler(オートバトラー)呼ばれるジャンルで、他にも代表的なゲームとしては「オートチェス」などがある。

リリースからそろそろ4年になるが、僕を含めHQGamesの多くの仲間が今でも夢中で遊んでいる。

知識や技術が求められつつも、運要素もそれなり。

「狙っているカードが買えた!」

「負けそうだったバトルに奇跡的に勝っちゃった!」

「絶対勝てる試合だったのに、こいつが変なとこ殴ったせいで負けたわ〜」

ときには本家ハースストーンよろしく、派手なランダム要素で「そんなことある?!」なんて笑ってしまうような展開もしばしば。

何度でもやりたくなってしまう中毒性がある。

challengers 02
またアマルガドンで遊べる日が来るなんて…
※このページはボードゲーム「チャレンジャーズ!」の紹介記事です。

さて、話を戻そう。

新ゲーム開発のため、いつものようにゲーム部屋に集まりアイデアについて議論を交わしているとき、よく出る話題がある。

「バトグラをボードゲームにしたら、絶対面白いよな〜」
登場するカードに一喜一憂したり、どんな構築にするかあーでもないこーでもないと唸ったり、ランダムバトルの結果で盛り上がったりと、バトグラのもつパーティ感は対面で顔を合わせるボードゲームならさらに増幅されること間違いなし。

そんな妄想を語り合いながら日々は流れ、ついに現実の製品として出会うことになる。

その名は「チャレンジャーズ!」

challengers 03
キッズ部門っぽい見た目だろ?これ、エキスパート大賞なんだぜ

2023年ドイツ年間ゲーム大賞(エキスパート部門)にも選ばれており、国内の評価も非常に高い注目作だ。

さて、気になるゲームの内容はというと…

君のドリームチームは最強か?吟遊詩人の助けを借りて、クラーケンでフラッグをもぎ取れ!

襲ってくる相手は、ネクロマンサーとゴムのアヒルちゃんで返り討ちだ!

宇宙のエイリアンから深海の怪物まで、とんでもない仲間とともに目指す目標はただ一つ。

世界最大のフラッグバトル大会の優勝だ!

???
この説明文だけ読んでもゲーム内容はまったく分からない。かなりカオスな世界観だ...

ゲーム中に正式に説明されることはないが、「プレイヤーはカードゲームの大会に出場して優勝を目指す」という内容だと思ってもらえれば大丈夫。

ちなみにBGGに投稿された制作者によるデザイナーダイアリーでも、バトルグラウンドやオートチェスに代表されるAuto Battler系ジャンルにインスパイアされたことを語っている。(https://boardgamegeek.com/blogpost/152306/designer-diary-challengers

ゲームのルール

予選ラウンドと決勝ラウンド

ゲームは7回戦の予選ラウンドと、上位2人による決勝ラウンドからなる。当然、決勝を制したプレイヤーが優勝だ。

TCGの大会でよくあるスイスラウンドと決勝ラウンドを思い出す人も多いだろう。

スターターセット、開封

challengers 04
全員共通して配られる6枚の初期デッキ

これが僕たちのスターターセットだ!

ドミニオンでいう銅貨と屋敷みたいなやつだね。

challengers 05
初期デッキで2番目に強いカード、犬。犬て。

上の方に書いてある数字がそのカードのパワー。

独自の効果を持ったカードもあるが、なんにせよこのパワーを使ってカードの強さ比べをしていくのが全てだ。

まずは最初のデッキ構築

各ラウンドは、それぞれデッキフェイズ(カード追加)とマッチフェイズ(対戦)に分かれる。

まずはデッキフェイズから。

challengers 06
序盤は一番弱いAデッキから売り場に並ぶ

売り場にはカードが5枚並んでいるので、ここから欲しいカードを2枚選ぶ。

ラインナップが気に入らなかったら、1回だけリロール売り場をリセットできるぞ。

最初は気の抜けたイラストだなぁと思っていたけど、キラキラしたイケメン美少女ばかりのゲームよりこういうのが好きだったりするんだよね(個人的な嗜好の話です)。
challengers 07
カードは全部で70種類以上!

対戦テーブルを確認

全員がデッキの強化を終えたら、いよいよマッチフェイズ。

2人が向かいあい1枚のプレイマットを使って対戦する。6人プレイなら3枚使う感じ。

challengers 08
TCGプレイヤーなら誰もがお世話になるプレイマット。なんと4枚も入っている

各プレイヤーに最初に配られた予定表カードで対戦相手が決められているので、指示された色のプレイマットの前に移動する。

うーん、TCGの大会っぽいなぁ。

challengers 09
左下が最強のカード「緑一色」。全ラウンド通じて緑プレマの同じ席に固定されているのでテーブルを移動する必要がない。引くとマジで嬉しい。

いざ、勝負!

対戦はほぼ自動で進んでいく。

まずは先手プレイヤーがデッキから1枚オープンして、フラッグを上に置く。

challengers 10
パワー2のタレントが最初のフラッグを獲得

今度は後手がデッキを1枚ずつめくっていき、合計パワーが先手のカードと同じになるか上回るまで続ける。これをアタックと呼ぶ。

challengers 11
パワー1の見習い2枚で、相手のタレントを倒した!

パワーが到達したらフラッグをいただき!倒されたカードはベンチへ移動。

今度は先手がアタックする番だ。後手のパワーを上回るまでデッキをめくる…あとはこれの繰り返しだ。

負けたカードは自分のベンチに並べていく。同じ種類のカードはひとつのベンチに重ねて置ける。

ベンチは6つしかないので、6種類までしかカードを置けない。

challengers 12

どちらかが敗北条件を満たすまでフラッグの取り合いは続く。

  • アタック時、相手のパワーを上回れずにデッキがなくなった

  • 7種類目のカードがベンチに置かれた

    challengers 13
    左プレイヤーはデッキがなくなり、右プレイヤーの勝利!

勝者はトロフィーを獲得。裏にはファンの人数(勝利点)が書かれている。

予選7ラウンドが終わったとき、たくさんのファンを集めた2人が決勝戦に進むという寸法だ。

challengers 14
後半のラウンドになるほど獲得ファン数も増えていく

勝負が終われば、また購入

ラウンドが進んでいくと、より強いレベルBの山からカードを買えるようになる。

レベルA・B・Cのバニラカードを並べてみたが、強さの違いは一目瞭然。上位のデッキになるほどパワフルな効果を持ったカードも増えてくる。
challengers 15
ハースストーンプレイヤーにはお馴染みのアヒルも参戦している

ラウンドによっては、Aから2枚買うか、それともBから1枚買うかプレイヤーごとに選べることもある。堅実にAのカードを集めていくのか、グレ上げしてBの強力なカードを探し求めるのか、悩ましくも楽しい岐路になっている。

どんなカードがあるの?デッキの組み方は?

challengers 16
左から強化系、操作系、特質系のカードたち

多くのカードは固有の能力をもっていて、その内容は様々。

自分や味方のパワーを強化したり、デッキの並び順を操作したり、中にはファンを直接ゲットするなんてカードもある。

challengers 17

無計画にデッキのカードを増やしていくと、「ベンチは6種類まで」のルールであっさり負けてしまう。

強い新カードを加えるのもいいが、同じカードを2枚、3枚と増やして種類数を絞っていくのが重要だ。

このあたりもAuto Battler系ゲームを思い起こさせる。

challengers 18
キレイにデッキが組めたときは本当に気持ちいいです

このゲームの楽しいポイントは?

遊んでみると分かりますが、ゲームが始まるとみんな独り言を始めます。笑

カード構築中はみんながみんな、誰に話しかけるでもなく「いや〜……うーん、こっちか…?」とか「おおお2枚目来た!」とか好き勝手に喋りだすので、とにかく場がにぎやかになるというか。

そして対戦がはじめると、カードがめくれるたびに大盛りあがりで本当に楽しいです!

ゲームの進行としては確かにTCGの店舗大会などに近いんだけど、そういう場って初対面の人と遊ぶことがほとんどで、どうしても他人行儀になってしまうのであんまりワイワイできないことも多いですよね。

そういう意味では、身内と談笑しながらブースタードラフトをしているときのような感覚に近いかもしれない。つまり最高に楽しい時間なのでは??

ぶっちゃけ運ゲーなんじゃない?

challengers 19

確かに運要素は大きい。それは否定しません。

欲しいカードが手に入るかに加えて、対戦においてもデッキの並び順が大きく勝敗を左右する。

でも、それって別に悪いことではなくて。

運要素に多少ふりまわされつつも、その結果に盛り上がるのもボードゲームのひとつの楽しみだと僕は思う。

カードの順番を自分で決められないもどかしさもあるけど、仕込んだコンボがうまいこと決まったときの快感はランダムだからこそ強烈なんじゃないかなと。

構築も対戦もキッチリ計画を練って進めたい、運に左右されたくない!という人には合わないのかもだけど、チャレンジャーズ!はもっと肩の力を抜いて遊びたいゲームと言いますか。

プレイ時間も1時間以内と比較的短いので、重ゲーに疲れたときの気分転換にもちょうどよし。

あとこういうゲームって、負けたのをカードのめくれのせいにできるので気が楽なんですよね(笑)。

スリーブ

かなりカードを酷使するゲームなのでスリーブは必須!

個人的にはハードスリーブがお勧め。僕はホビーベースのTCGハードを使っています。

束が分厚くなってしまうけど、箱にはギリギリ入るサイズなのでご安心を。

ケースを逆さにして被せておくと、箱の中でカードがバラけないのでGood!

challengers 20
初期デッキや予定表カードなどはプレイマットの下に収納している

拡張セット「ビーチカップ」もまもなく発売!

なんと拡張の日本語版がまもなく発売予定!早い!

詳しい内容は確認できていませんが、何度も遊んでいると「カードプールがちょっと狭いかな?」と感じることもあるので、プレイの幅を広げる拡張セットはどうしても欲しくなっちゃいますね〜。

challengers 21
challengers 22

発売日は10/31とのこと。各所で予約もはじまっているので、気になっている人は要チェックです!

まとめ

以上、チャレンジャーズ!の紹介でした!

いやそれにしてもホント良かったなこのゲーム…。初プレイのときは思わず3連戦して、帰りの電車の中でもBGAで遊んじゃったからね。

それにしても、ハースストーンや現実のTCGの話が多くなってしまい申し訳ない。

ついついそういった用語を出してしまいたくなるほどに「カードゲームの大会ごっこ」を味わえるので、TCGプレイヤーには特におすすめしたいゲームだった。

もちろん、カードゲームをやったことがない人でも十分楽しめますので、まだの方はぜひ遊んでみてください!