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カテゴリ:プレイ記

20241203 easternempire play 16
2024-12-03

東方帝国プレイ記2024

2024年某月某日、都内某所。1プレイに10時間以上を要するとされる 東方帝国/Eastern Empire をプレイするために7人の男たちが集まった。ここではその記録を振り返りたい。 東方帝国の概要はこちら。 全選手入場!   本記事の執筆者であり東方帝国の持ち主。   声がデカいことでおなじみ。   HQGamesきっての穏健派。   我らがHQGamesの代表。   理論派。ねちっこいプレイを好む。   1日16時間ゲームをしている。   多人数ゲームでも容赦なく他プレイヤーをカットすることで恐れられている。 文明の曙 2時間程度のゆったりとしたインストを終え、いよいよゲームがスタートした。 まずは各文明とも人口を増やし、領土を拡大するところからである。最初は人口が各文明1人ずつしか存在しないため、行動の選択肢がそれほど多くなく、ターンはすぐに回っていく。 順当にゲームが進んでいくかと思われた3ターン目、 パルティア が バビロン に早くも仕掛けようとする事態に。どうも南に領土を拡大するために、 バビロン に撤退することを要求しているようだ。他プレイヤーと争うことを厭わない パルティア:木村 らしいプレイである。これに対し、 バビロン:永山 はルーズルーズになるだけであると必死で説得し、不可侵領域を設けることで何とか争いを回避。 こんなに早くもめるとは思っていなかったので、周りのプレイヤーたちは笑っている。 4ターン目も引き続き パルティア と バビロン が交渉。何とか争いが回避される中、クシャーンが史上初の都市を建設し、交易カードを入手。まだ他プレイヤーが交易カードを持っていないため、交易は行われずにターンが終了した。 交易フェイズの前に、各プレイヤーは自身の都市の数だけ交易カードを数字の小さい山札から1枚ずつ引く。その後、各プレイヤーは3枚以上の交易カードのセットを、1枚のみ正体を隠して他プレイヤーと自由に交換していく。 5ターン目、ゲーム開始から倍々ゲームで増えてきた人口は、ついに各文明最大32人に達し、マップ上に収まり切らない事態に。余った人口を調整するために、 パルティア と シバ の間で史上初の戦闘が発生。また、各文明とも増えた人口で都市を建設し、文明ごとの領土が明確となってきた。 繁栄と衰退 6,7ターン目も都市の建設ラッシュは続き、ついに交易カードを3枚以上手にした文明が現れたことで、7ターン目には史上初の交易が行われた。このターンでは文明進歩カードの購入金額までには届かなかったものの、各文明は後のターンに備え手札を整えた。 なお、6ターン目の終わりにはついにASTに差が生じ、 バビロン と ヌビア が一歩遅れる形となった。 ターン終了時、一定の条件(都市が2つある等)を満たしていると、自文明のASTマーカーが1マス右へ進む。誰か1人でも右端(鉄器時代後期)に到達すれば、ゲームが終了する。 8ターン目、交易カードを配り終えると2の山札がない。これはつまり、誰かが交易可能の災害である <謀反> (および交易不可の <火山噴火/地震> )を手札に持っているということである。全員の中に緊張が走る。先ほどまでとは打って変わり、たどたどしく交易が行われ、ついに災害カードが公開された。 それぞれの交易カードの山の中には、数字カードの他に災害カードが混ざっている。交易フェイズの最後まで災害を持っていたプレイヤーは甚大な被害を受ける、いわゆる"ババ"だ。 まず <火山噴火/地震> を引いたのは パルティア !運の悪いことに火山に接する文明であったため、都市2つと人口4つが跡形もなく消えてしまった。あまりにも容赦のない災害に肩を落とす パルティア:木村 。 次いで <謀反> を引いていたのは ヌビア 。 <謀反> は 受益者(当該災害をそのプレイヤーに手渡したプレイヤー) に都市を1つ併合させるという効果だが、 <謀反> を ヌビア:齋田 に渡したのは シバ:小林 であったため、 ヌビア は隣接する シバ の侵入を許すことに。災害を通じてゲームが動いていく。 文明進歩獲得フェイズに移ると、なんと バビロン:永山 が <漆> を6枚公開!皆が災害を怖がる中、積極的に交易を行いカードを集めていたのだ。これにより バビロン は180金をたたき出し、コストの高い <地図製作> を一足先に購入した。 また、 パルティア:木村 はカードを全てはたいて <原理主義> を購入。 <原理主義> は隣接するエリア1つの都市及び人口をすべて破壊するという恐ろしい効果であり、好戦的な パルティア:木村 らしいチョイスである。 その他の文明も各々に文明進歩を購入していき、一旦ここで昼休憩を挟むこととなった。 昼休憩を終えると、9ターン目からは人口が増えたこともあり、移動フェイズを順番に行うことに。 ヌビア は人口をつぎ込み、 <謀反> で シバ に奪われた都市を奪還。 バビロン は前のターンの勢いのまま、8都市の建設に成功した。 2以外の山札も残り少なくなる中、災害カードを公開するとなんと7枚!全体で都市が3つ破壊&9つ衰退し、さらに60点弱のダメージを叩き出したことで、各文明は一時休戦の様相となった。 なお、ここで インダス:中西 も <原理主義> を購入。 <原理主義> による攻撃は、同じく <原理主義> を持つプレイヤーには効かないため、 <原理主義> を先に購入した パルティア:木村 に対抗できる。災害に加え <原理主義> の恐怖も現れ、怯える他プレイヤー達であった。 10ターン目は各文明が復興に勤しむ中、そこに災害が再び襲い掛かる。 パルティア:木村 は運の悪いことに再び <火山噴火/地震> を引いてしまい、再建した都市が吹き飛ばされてしまう。その他の災害も続き、全体で都市が3つ破壊&7つ衰退&1つ併合し、加えて10点弱のダメージとなった。 ※なお、この時は交易カードのシャッフルの仕方に誤りがあり、災害がめくれやすくなっていたことにご留意いただきたい。 この時点でASTは、条件の緩い シバ と パルティア のみが青銅器時代中期に進み、その他の文明は3都市&3文明進歩という条件を満たすことができず、青銅器時代初期に留まることとなった。 災害を超えて 11ターン目、交易を開始すると ヌビア:齋田 が驚くべきことを言った。 このターンに引いた交易カード5枚の内、2枚が交易不可の災害だったので、交易可の災害カードを引き受ける代わりに良いカードが欲しいというのである。 「同一プレイヤーが災害カードを3枚以上所持している場合、その内2つをランダムに選んで発動し、それ以外の災害カードは発動せず捨てる」 というルールがあり、それを活用した形だ。 これにより ヌビア:齋田 は <漆> を6枚集め、 <塩> 3枚と合わせて220金の <民主主義> を購入するビッグプレーを見せた。 AST進行条件のひとつに「200金以上の文明進歩カードを3枚以上所持」があるため、買えるときに買っておくことが重要である。加えて200金以上のカードは格段に効果が強いので、その意味でも早めに購入したい。 一方、 ヌビア:齋田 の手になかった唯一の災害である <内乱> が ペルシア を襲う。 <内乱> は「自身の人口及び都市を35点分(人口は1つ1点、都市は1つ5点)残し、残りを受益者に併合する」という恐ろしい効果であるが、この時隣接する バビロン:永山 が受益者となっていたため、1都市および13人口が ペルシア から バビロン の手に。 ペルシア:神谷 としてはあまりにも手痛い一撃となった。 この辺りから各プレイヤーの行動に変化が生じる。 あまりにも災害が頻発するため、各プレイヤーはもはや災害を恐れず交易に臨むようになったのだ。このゲームでは交易によるメリットが非常に大きく、また災害もそのターンの文明進歩の購入には基本的に影響を及ぼさないため、合理的な判断と言えよう。もちろん、文明進歩の購入により、災害を緩和することが可能になったのもそれを後押ししている。 12ターン目以降も被災と復興が繰り返され、13ターン目にはついに、このゲームで最強の文明進歩である <世界的偉業> を ペルシア:神谷 が購入した。 ゲーム終盤になっても災害は容赦なく襲い掛かる。 14ターン目には9の山札の底に眠っていた <退行> が現れ、ついにすべての災害が姿を現すことになった。 クシャーン:寺岡 は <退行> を運悪く引いてしまい、ASTを1マス戻すという致命的な被害を受けてしまう。 15ターン目終了時のASTは以下の通り。 シバ 、 ペルシア 、 インダス 、 パルティア が一歩リードするが、まだ誰も鉄器時代初期に進むための条件を満たしていない。勝利は誰の手に。 8000年の頂点 朝の9時から開始したゲームはもう23時になり、皆の表情にも疲労が浮かび始める。 しかしながら、ゲームが佳境であるため休むことは許されない。災害により領土が入り混じる状態となったことで、疲れた中でも難しい判断を迫られる。 そんな中、16ターン目には インダス と パルティア が200金以上の文明進歩を累計で2つ獲得し、また都市を4つ維持したことで、ついにゴール一歩手前までASTを進めた。これでもう1つ200金以上の文明進歩を獲得し、都市を5つ維持すればゲーム終了である。 ゲーム終了条件であるAST最終マスへの進行条件は「200金以上のカード3枚と都市5つ」。最終マスに到達すればより多くの勝利点が得られ、ゲームを決定づける。 しかしながら、ここで ペルシア:神谷 がタイムリミットを迎え離脱することに。また、 ヌビア:齋田 も体力の限界を迎え離脱。重ゲーならではの避けられない事態である。 残った男達はゲームを続ける。17ターン目、 インダス と パルティア は他プレイヤーが安易に交易に応じてくれなくなったこともあり、200金以上の文明進歩を獲得することができない。一方、 シバ と クシャーン も条件を満たし、ゴール一歩手前までASTを進めた。 18ターン目、各プレイヤーは自力で交易カードを集め、200金以上の文明進歩を獲得し、ついにゴールである鉄器時代後期に到達した。これでゲーム終了である。 インスト開始からすると18時間、深夜27時のことであった。 得点計算の結果、インダス:中西が僅差で優勝となった。 16時間もプレイしたにもかかわらず、最後まで接戦になったのは特筆すべきことだろう。これにてHQGamesの東方帝国は幕を閉じた。 僅差のため勝敗の要因について語るのは難しいが、やはり攻められにくい奥地にしっかりと自身の拠点を設け、その上で不要な争いは避け、他方で攻めるべきところは攻めるという基本を忠実に守ったプレイヤーが勝利を収めることができたのではないだろうか。6人も他のプレイヤーがいると頭一つ抜け出してそのままトップを走り続けるのは不可能(ましてウォーゲームならなおさら)なので、上手く他プレイヤーと協調することが望ましいと考えられる。 おまけ おしまい